人にはそれぞれちょっとしたこだわりがある。他人にとってはどうでもよいことでも、自分にとっては譲れないポイントなのだ。
さて、自分にもいくつかそういうものがある。
1. ピックは(有)プレクトラム社のGCモデルしか使わない
2. ショルダー・ケースでギターを持ち運ぶ時は必ずギターを前にする
3. 手に入れたCD、レコード等を初めて聴く時は「正聴」する
4. 見たい映画の予告編は見ない
5. 飛行機では通路側に座る
6. 繁華街の横断歩道で信号待ちをする時は最前列に立つ
7. インスタント・コーヒー、缶コーヒーは飲まない
8. 決してピッチャーでビールを頼まない
9. ビールはグラスで飲む
10. 水割りは飲まない
こうしてリストアップすると、
A.単なる好み
B.効率・機能的
の二つに大別される。1、7、9は明らかにAであり、2、4、5、6、8はBである。たとえば横断歩道で前に立つのは人一倍歩くのが早いので、先に渡って自分のペースで歩きたいからだ。
しかし3、10はどちらでもあり、どちらにも当てはまらない気がする。年に数枚しかレコードを買えなかった中学時代から続けていることで、単なる習慣でそうすることが好きだからいえばAなのだが、何となく聞いてしまうと同じレコードでもあまり感動しなかったりつまらなく感じたりするからという意味ではBにあてはまる。またウイスキー自体あまり飲まないが、水割りは気持ち悪くて飲めない。ワイン、ビール、日本酒をストレートで飲むのと同じ理由だ。だから「好み」でもあるが「主義」と言った方が近い。
それではピッチャーでビールを頼まない理由はAの好みではないのかという声も出そうだが、これは違う。ピッチャーにビールを注いだら、そこで泡が出てしまう。それをさらにグラスに注いだら気の抜けたまずいビールになってしまうからだ。これは店員が何杯も生ビールをグラスに注ぐ手間を省くためにやっているに違いない。こんなのは折角のビールを台無しにする行為である。これだけは絶対許せない。
ただし解決策がひとつだけある。
もしピッチャーで出てきたら・・・ ピッチャーで飲めばいい。



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