本はもっぱらブックオフ愛用で、文庫本ばかりで新刊はあまり読まない。相変わらず箒木蓬生のものを探して読んでいるだが「エンプリオ」の下巻がどこにも売ってない。箒木の本職は精神科医で小説は寡作。それだけに読者はいつも飢えた状態におかれることになる。
その他、私にとって文庫本は暇つぶしのコーヒーか煙草のようなもので、読後にはもうタイトルも作家名も忘れてしまうものも少なくない。しかしすべてを忘れているわけではなく、吉村昭、舟渡与一、小川洋子、浅田次郎、宮本輝、江戸川乱歩、川上弘美ときりもないが秩序もない濫読である。10年前にはその執拗な文体についていけなかった鳥尾敏雄の「死の棘」も「偽学生」も読みだしたらやめられない。
どんどん溜まってゆく秩序の無い本の嵩に年末の片付けをしながら、これをどうしたものかと思案している。

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