本も読めない、川柳も作れないというあわただしい年末を送っているが、その間にいただいた句集なども殆ど開封されないまま積んである。申し訳ないことで、せめてここに数句を紹介し、正月にゆっくりと読ませていただく。
セレクション柳人「畑美樹集」
こんにちはと水の輪をわたされる
体内の水を揺らさず立ちあがる
手鏡に映すわたしがいない場所
セレクション柳人「畑美樹集」
さくらひとひら布団の中についてくる
揺れてみる死んだ男の揺り椅子に
湖はあと一滴で出来上がる
川柳「杜人」
時計の脈が早くなったり遅くなったり 佐藤みさ子
空き缶を蹴る武士道の道すがら 大友逸星
川柳「ノエマ・ノエシス」創刊
竹林に埋めた男と歳月と 高鶴礼子
天蓋の鳥空に死す鳥で死す 〃
俳句集「夷狄」高橋修宏著
冷蔵庫あければ灯る枯野かな
菊人形菊の中にて死にすすむ
鬼灯や少女と老婆入れかわり
俳句「垂人」
行けども行けども人生と野菊 中西ひろ美
阿蘇の力で神になり水になる 〃
初時雨なんだね音をたてている 〃
詩詩「舟」、俳誌「狼」など感謝。

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