朝の岡山駅構内のラッシュアワーの人混みを見渡すように、1人の警官が立っていた。青い50センチほどの箱の上で、紺色の作業服、そのズボンの裾は編上げの靴でキリリと絞られている。右手に警棒を持ち、胸の前で斜めに構え、もう一方は左手で支えられている。何かことが起きればすぐ飛び出せる態勢か。スリ、ヒッタクリ、痴漢、不埒者、テロだっていつ起きるか分からない世の中だから、警官がそこにいるだけで乗客に安心感を与える。
もう一人、台の横にも警官が一人。何かを尋ねられたらしい老婆の、目線に合わせてかがんで話を聞きながら、乗り場のへんを指差している。それにしても2人とも若い。私はしばらく立ち止まって彼らを見ていた。そして台の上の警官を見上げたが、若いというよりもまだ幼いヒヨドリのような顔だった。するとそのヒヨドリが照れ笑いを浮かべながら左手を小さく振ってくる。ん?私か・・と思いながら周囲を見回したが、立ち止まって警官を見ているヒマなのはいないから、やっぱり私だと気づいて近づいてみた。
なんだ〜隣組の末っ子のヨッちゃんか・・警官になったとは聞いていたが、マア立派になって・・と声はかけなかったが、私も軽く手を振って、何か嬉しいことがあったような気分で改札をでた。
イヤ〜ただそれだけのことなのに、立ち止まって、わざわざ読んでくださって・・すいません。

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