2010/10/30
3分間吟「こつんこつん」岩根彰子選
こつんこつんとコインが入る胃袋 圭史
こつんこつん程度で済まぬ父と台所 一石
夕暮れをまたぐとこつんこつんこつん 美樹
こつんこつんと鉄腕アトムに背びれ 美樹
裏木戸も鎖骨もゆるむこつんこつん ひろえ
こつんこつんと牛馬の鼻が疼きだす 久良
あなたの返事はいつもこつんこつん 久良
こつんこつんと棒に当たる棒になる 久良
人間のこつんこつんはたれさがる 久良
うらなりの手ぬぐいであるこつんこつん久良
血がかたまる時のこつんこつん 柊馬
こつんこつんと春の小川が軋みます 一石
富士山はこつんこつんとやって来た 仁
コツンからコツンへ届く紅の色 柊馬
議事堂でコツンコツンと人殺し 柊馬
風呂桶にこつんこつんと夏みかん 圭史
こつんこつん多分ここら辺りが母さん 圭史
氷河から溶けだす男こつんこつん 圭史
こつんこつんと揺りかごは暑くなる 千秋
こつんこつんとごつんごつんが逢っている 由紀子
朝顔がこつんこつんに咲き始め 博造
右足でこつんこつんと生き返る 瞬夏
いいわけもこつんこつんと夏の部屋 瞬夏
こつんこつん心臓まで凍ってる 多佳子
こつんこつんと土を耕す地球人 仁
三姉妹再会してこつんこつん 正博
こつんこつんと河童にあたる風ばかり 仁
舌先をこつんこつんと尖らせる 瞬夏
ぼくだってこつんこつんと暮らしたい 瞬夏
やましさをこつんこつんとしびれさす 瞬夏
だて眼鏡こつんこつんと生きてゆく 正博
瀬戸物にこつんこつんと天道虫 裕
君のことこつんこつんと思いだす せつこ
財布からこつんこつんと500円 せつこ
こつんこつんと叩いてあけてはいけない扉 せつこ
足跡をこつんこつんと消して死ぬ 瞬夏
隣室でこつんこつんと骨の音 正博
時雨の山でこつんこつんと出会う 正博
車窓の遠くこつんこつんと景色 千秋
見舞客の帰った後のこつんこつん 千秋
鏡にはこつんこつんが映っている 千秋
天井はこつんこつんと泣いている 千秋
こつんこつんかたつむりの道ごっつんこ 真理子
君の胸こつんこつんと泣いている せつこ
私のこつんこつんが本音です せつこ
特 金平糖こつんこつんと光るなり 博造
特 簡易ベットにこつんこつんと触れられる あきこ
特 おそろしいこつんこつんがある鏡 明
すごい入選数・・。

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