
出会い系サイトで次々と男を変え、その1人に殺された保険外交員の女と、殺してしまった若い作業員。そして、出会い系サイトで知り合い、そのまま関係をもった後に、殺人を打ち明けられ、自首しようとする男にすがりついて逃避行をせがむ女。それぞれにやりきれない過去を背負って、それでも生きるしかない家族たち、あるいは生きる目的を見失い、精神の縁を彷徨うしかない友人そして知人たち。出会い系サイトと言う不毛の愛の形から現代をえぐりだし、多彩な人間群像がリアルなタッチで描かれる。そして、荒野を彷徨う人間たちの過去を明らかにしながら、本当の悪とは何か。本当の悪人とは誰なのかを問い続ける。
その複雑にからみあう人間群像のどこかに私の影が揺らぎ、あなたの分身を見つけることが出来る筈だ。

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