町長選挙という町を二分する、過激でみにくい戦いは前哨戦から中盤に差しかかった。正式には4月6日の告示から選挙戦は始まるのだが、それはもう、ほぼ勝負のついた終盤の戦いに過ぎない。
私はおもにマニフェスト、パンフレット、チラシ、檄文を担当している。民主党政権がマニフェストにおいしい言葉を並べて、いまその予算化に四苦八苦しているが、私に予算化の責任はない。若者向け、お母さん向け、お年寄り(イヤお年寄りと言ってはいけない)高齢者向け。それぞれに照準を定めて、町政に夢を盛り込む。ハリほどの実績は煙突ほど誇張して書く。おいしい言葉を繰り出すのはお手の物だが、心の痛むときもある。熱気の中にいるとペンはどんどんエスカレートするが、一人になったとき、遅い湯舟に身を沈めているとき自己嫌悪になり、もう選挙から手を引こうと思う。
だが、あと2週間ほどは引くに引けない。ジンマシンがでるほどイヤだった川柳が恋しくて仕方がない。

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