津山では同行した斉藤幸男さんの成績がよかった。熱心なのだが理屈っぽい答を書かなければ気が済まないタイプで、それが本人の迷いにもなっていたのだが、何か吹っ切れたのか津山では今までになかった句を見せてもらった。
絵本では戦争のない遊園地 幸男
特選になった句だが、これは「絵本」「戦争」「遊園地」が、パターンの中におさまってしまった物足りなさがあると思ったが
投げるならこの茶碗をと渡される 幸男
は今までの幸男さんにはなかった句。この句のあたりから人生的、あるいは教訓的な句から脱皮する幸男さんが垣間見える。

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