私の住んでいる町には日本一を自称する藤棚があって、昭和60年に開園したこの藤公園は、全国から著名な藤を集めて作られ、その数約100種類と、種類の多さを誇る。花の房を1メートルも垂らした藤もあれば、葡萄のように小ぶりな房の藤もあり、またその花の色も、紫の濃いもの薄いもの、可憐なピンクや清浄な白もありと様々。藤棚は総延長が500メートルあり、その下は通路となっていて藤を仰ぎながら散策することができる。
これから4月下旬から5月の連休のあたりが一番の見ごろで、満開となる時期には、長く房を垂れ重なりあって開いた藤は紫色の煙る雨のようにも見え、見る人を引き込む幻想的な美しさを持っている。
藤棚の奥の暗がり黄泉の国 明
藤棚が揺れ禁色の鮫を飼う 明

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