原文
お行きなさんせ、早いところで・・・仲よく丈夫でおくらしなさんせ。・・・お蔦さん、棒切れを振り廻してする茂兵衛のこれが、十年前に櫛かんざし、巾着ぐるみ意見貰った姐さんに、せめてみて貰う駒形の、しがねえ姿の土俵入りでござんす。
お遊び戯文
ジャマイカは早いねえ。ポルドーさんの走りは美しい。十年前に会っていたら惚れたかもしれないよ。貰った金メダルよく似合っていたでござんす。(由紀子)
オヤスミなさいよ早いところで、仲よくふたりくるまって、・・お前さんと睦みあうのも縁というもの。なあに十年前に手が触れあって、心底だいじにして貰ったおまえさんと、身体ひとつになれる日をずうっと待っていたのでござんす。(明)
雪降りなさい。早い冬ならもう根雪です。二酸化炭素さん、南の島が沈もうとする。十年前に京都議定書の猶予もらった大国のなりふりかまわぬ人口雪です。(裕)
見てごらんなさい早い話しが・・二人仲よくくらしていれば、・・お父さん。あんたの口だしする幕はありませんが、十年前に一度だけ財布ぐるみに渡された嫁さんに、先立たれてからの姿はもう見たくないです。(ひろえ)
秋霖の早い宿りで草枕、旅寝しなれば苦の素さん、見果てぬ夢や胡蝶蘭、十年前にはちぢれもの愛も不在も郷土の酢。(久良)
おゆるしください、早い波間にあかりの灯る雨の海原。お兄さん、艦内に抱きあう友の横顔と、十年前に沈んだはずの弾頭もらった横腹に、せめてふるさとの風のかたちの、ああ、母さんを哀します。(ギイ)

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