今大会で一番びっくりしたのが、ちかるさんのメモ書き。なんでも気に留まった句を作者名込みで書き留めてらっしゃるとか。しかも2〜3句なんていう走り書きではなく、1題につき10句以上、メモにビッシリと書き込んでいて(はじめは作句ノートかと思った程)、その集中力というか実行力というか、ただただ感心しきりでございました。句会で耳から聞いた句を書くということは、1回目の披講でメモに残すかどうかを判断して2回目で文字に起こすという「超人技」ですからねぇ。句会でさえここまで「読める」っていうことですな。いやはや、ほんと勉強になりました。
と全郎のブログに書いてあって、そういえば私も何度か彼女がメモに残している句を聞いたことがある。覗き込んでも見せてはくれなかったが、ハート型の小さな手帳にびっしりと句が書いてあるのがチラッと見えた。
確かに離れ業である。ただ彼女の句会や大会に向き合う意識と、自分の句がいつ抜けるか(読まれるか)、そのことだけが関心事で、そのことだけに耳をそば立てている私たち大方の意識の違いがあるのかも知れない。彼女は「抜ける抜けない」という話題になるといつも不思議そうな顔をする。
彼女の興味はもう出してしまった自分の句よりも、耳に入ってくる人様の句にあるようだ。いい句を聞くと「来てよかった」といい、知り合いの句が抜けると、うれしそうにそちらに視線を送ったりしているが、「何句抜けたの」と聞くと「さあ・・」と首をかしげる。
どんな句が抜けたの聞けば答えてくれるかも知れない。

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