今日は教室の生徒さんたちと、倉敷美観地区吟行。土・日曜日の喧騒が嘘のような落ち着いたたたずまいの町並み。いなせな法被の船頭さんも嫌がらずオバちゃんたちの相手をしてくれる。
川柳の吟行では墨作二郎さんの「点鐘の会」が有名だが、対象を「モノ」として捉える俳句と違って、「コト」としてスケッチする川柳では作りにくい。しかし、日頃は頭で作ってしまう作句から、時には視覚的な作句に転じてみるのも悪くはない。「美観地区」「美術館」などと言葉を大掴みするのではなく、なるべく小さなものに焦点を絞って、そこから美観地区の特徴を浮かびあがらせるようにと、生徒さんにはやや難しい注文をつけて私は一人ぶらぶら。
老舗のくらしき旅館で昼を採り、街外れの目立たない路地の奥の米蔵を茶房にしたいい店があって、何度か行ったことのあるそこで句会をするつもりだったが、やすみですよ〜と親切なメールがあって引き返す。結局煉瓦作りのアイビースクエアのレストランの、珈琲一杯で2時間ねばる。ほかの客はいないエアーポケットのような時間帯で「句会ですかぁ、どうぞどうぞ」とウェイトレスも愛想がいい。
句の出来はぼちぼちだが、そのあと回廊で解散しそれぞれに駅へ向かった。

(アイビースクエア回廊 撮影・兵頭全郎 4月13日)

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