年賀状を印刷しながら、まあ正月も来ることだし、少し机のまわりを片付けようと思いつつ、めずらしい本とか同人誌とか、つい開いては仕事が進まない。
1957年発行の俳句誌「黄金海岸」。これは多分、柊馬さんに貰ったもので、しばらくは鞄に入れて持ち歩いたものだが、摂津幸彦、坪内稔典、大本義幸などのいい句がある。
摂津の「与野情話」は別にして、
犬死もできずに煮込む春の魚 坪内稔典
煮魚のまなこあおむく花曇り
冷や飯やぞろぞろと来る春霞
花の三月半熟卵の血を啜る
おだまきもくだまく君も卵呑む
斜視にして母昼月に満ちている 大木義幸
からからと我をまわすや鰯雲
硝子戸をわたりて蛇や秋ひゆる
風ははためき炎昼に童女きている
年賀状が遅々としてすすまない・・。

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