『トクサツガガガ』を見てしみじみ思ったこと

2019/1/22 | 投稿者: 鹿苑院

NHKの金曜ドラマ『トクサツガガガ』がかなりの力作で見ていて引き込まれ、時間があっという間に感じた。この引き込まれ感の源はなんと言っても「共感」である。

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主人公は26歳のOL。一見優秀でまじめで女子力高いが、その正体は重度の特撮オタクであり、これを隠すために苦労している。
その趣味を毛嫌いする親からの迫害だとか、語り合える仲間は欲しいがそれが好きだというだけでからかわれるから友達にも言いにくいだとか、パンピーとのカラオケはみんなが知っている曲や歌手をまったく知らないから歌える曲がなく、できれば自分は歌わずにすませたいがそういうわけにもいかないから相当な苦労をするだとか…。

「これは俺をモデルにしているんじゃないか?」と錯覚してしまったぐらいだが、オタク(という言葉を自称としては使いたくないから革命的ブロードウェイ主義者同盟の理念に従って本稿では「趣味者」と呼称することにする)ならば同じ錯覚を持った視聴者はさぞ多かっただろう。このツイートがそれをよく言い表している。

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僕はまあ、特撮に関してはほぼウルトラマン限定、時々ゴジラが好きでそこそこ詳しい自負はあるけど、上記のような苦労をしてきた趣味とは声優アーティストのことである。
今は90年代や00年代と違って、水樹奈々が紅白歌合戦の常連になったりして声優アーティストが好きだというのはさほどニッチな趣味ではなくなっているのだが、個人的には多感な青年期に散々な仕打ちを受けてきたので、安全性が確保されていなければ自分がその趣味者だと言う勇気はない。だから婚活で相手女性に好きな音楽を聞かれると非常に困りながら「ジャズ」などと答えたりしている(一応ウソではない)。
ただ、自分が学生だった頃は散々だったのに、大人になって大学の教員になってみたら大学生に声優ファンがたくさんいて、しかも隠してもいないということから時代が大きく変わったことを実感したのは事実だ。

この時にも書いたが、最近の若い子にとっては声優アーティストのファンだというだけでイロモノ、ゲテモノ扱いされるのが当たり前だった時代があったことは信じ難いことらしい。
「戦争を知らない子供たち」を目にするのは、迫害のない時代を求めて戦ってきた趣味者にとっては喜ぶべきことなのだが、茨の道を血だらけになりながら切り開いてきた我々先人への敬意を彼らに求めるのは贅沢すぎるだろうか。
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