楠木氏の戦国

2018/1/13 | 投稿者: 鹿苑院

南朝正統論が日本史のスタンダードになるには、水戸学の発生を待たねばならない。それまでは現存する朝廷が北朝である以上もちろんこちらを正統とする論が常識であり、ましてや足利幕府が継続していた時期においては新田義貞や楠木正成といった南朝方の武将は逆賊扱いされていた。

さて、13代足利義輝の時代といえば幕府も衰えの色が見えているが、楠木氏が逆賊であることは変わらない。そんな時代の楠木氏に長譜(ちょうあん)という人物が現れた。正成以来の兵法などは持ち合わせていないが、書が堪能であったことから松永久秀、織田信長、豊臣秀吉の右筆を務めた人物である。
松永久秀という人物はマクロ視点からは極悪人とされるが実は家臣に対しては好人物で、長譜の頼みに応じて朝廷に働きかけ、楠木氏の朝敵指定を解除している。

ここに朝敵ではなくなった楠木氏が、さらに忠臣の代名詞にまで後になったことを考えると、人物の評価とは絶対的なものではなく意外にその時々の世相による曖昧なものであることがわかる。
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