油滴との出会い

2015/10/11 | 投稿者: 鹿苑院

多治見茶碗まつりに行ってきた。いわゆる陶器市の大規模なやつ。別段欲しいものはなかったが侘びた煎茶碗があれば(なければぐい飲みでも代用可)、買ってもいいかなというぐらいの気持ちで行ってみた。

油滴のぐい飲みが目を惹いた。平茶碗のような形のものと丸っこい汲出茶碗のような形のものがあり、見た目の好みでいえば前者だが実用性でいえば後者という迷いに捉われた。
多治見という所は古田織部ゆかりの地で「へうげもの」で盛り上がってもいることだから、「渡り四分に景六分」という織部イズムに敬意を表して後者を選んだ。すると、「迷っていたのはこれでしたね」と前者の商品の傷が付いたものをタダでくれた。こういうのがこういうイベントのうれしい所だ。

油滴は唐物の一形態なので、いわゆる美濃焼の典型とは言い難い。「おや、こんな所に油滴があるのか」と意外な思いに捉われたし、ぐるっと回っても他の店にはなかった。足利時代の「書院の茶」で珍重されていた贅沢品で、千利休が侘びた「草庵の茶」を提唱すると茶の本流からは外れていく。
オレは足利義政の東山好みに共鳴するので油滴は一つは持ちたいと思っていた。つまり、冒頭で「侘びた煎茶碗があれば」と書いたくせに侘びと対極にあるものを買ってしまったわけだ。しかし派手な絵付けの陶磁器があふれている現代からみれば油滴すらもどうかすれば侘びているように見える。
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