孔子のせいで腰が痛い

2015/7/22 | 投稿者: 鹿苑院

近頃腰が痛い。理由は明白で、上の歯を治療する場合、体を横に捻って覗き込まなければ見えないからである。そんなことを毎日何度もやっているのだから腰が痛くなる道理である。歯医者の職業病といっていい。
少し詳しい人なら、歯医者が持っている器具の先端には鏡が付いているから直視しなくてもそれで見ればいいじゃないかと思うかもしれない。しかし右手に切削器具、左手にミラーを持つとバキュームを持つ手がなくなり、患者を溺れさせることになる。オレの腕は二本しかないのだ。

助手が横に付いて常にバキュームを持っていてくれれば問題は解決するが、ただでさえ人手不足の上に勤務医の悲しさ、「院長を差し置いて鹿苑院先生に付くのはちょっと…」と誰もが思うから結局ほとんど一人でやることになる。これは彼女たちに悪気があるのではなく、社会通念上そうせざるを得ないと申し訳なさそうに飲み会で言ってくれたのでオレとしては含むところはない。

ただし、院長と勤務医の鹿苑院とでは院長の方が偉いだろうけど、診ている患者に身分の差はない。そういう患者自身には罪のないお家事情のせいで無理をした影響がどこかに出た治療をせざるを得ないとしたらかわいそうではないか(なお、かわいそうとは思うが申し訳ないとは思わない。オレのせいではないから)。

本来、医療とは最も合理的な判断が求められる場のはずだが、悲しいかな東アジアではここでも儒教の序列論が邪魔をする。
院長は簡単な治療、オレは大変な治療をしていても、では鹿苑院先生を手伝いましょうという最も素直なはずの思考回路になかなか儒教文化圏の人間は辿り着けない。こうしてオレは日々の仕事を通してますます儒教を憎む心を逞しくしていく。

結論。
儒教は少なくとも社会と患者の健康とオレの腰にとって有害である。

余談。
コンビニの本棚に「ビジネスで活かす論語」みたいな本があったが、ビジネスに儒教を持ち込むのは狂気の沙汰としか思えない。
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