白檀随記

2012/1/27 | 投稿者: 鹿苑院

この前に沈香の話を書いたので。

今日は菩提寺の前住職に借りていた本を返しに行った。その際に御香の小箱1箱を寄進した。お試しサイズで手に入れたものの1本だけ使ってどうにも好みに合わなかったので、お寺で使ってくださいというわけである。
いろいろ使ってみて傾向として判ってきたことは、どうもオレは沈香よりも白檀の方が好きということ。菩提寺に差し上げた御香も沈香立ちの物である。ちなみに前住職は「ほう、白檀の方が好きかね! 私と逆だなあ」と言っていたので沈香派だろう。

だいたい御香というものは、花の香りとかのモダンな物を除けば沈香立ちか白檀立ちのどちらかになるのがほとんどである。その意味で沈香と白檀は御香界の双璧と言えるが、香料としての値段で見た場合、沈香の方が遥かに高額である。沈香は自然界の中で作られるのに様々な偶然を経ないとできないが、白檀は木材そのものが既に香るので、栽培すればそれでいいからだろう。もっともその栽培も追い付かずに白檀も今は希少になり、産地のインドでも出荷制限が掛かって価格高騰しているが。

個人的な意見だが、沈香は玄人好みというか、ある程度聞きなれた人(御香は「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現する)でないとあの複雑な良さが解りにくいような気がする。対して白檀の甘い香りは万人受けするのではないか。

今までオレが使った中で最高だったのは、泉州堺の薫明堂という会社が作っている「零陵香」である。むろん白檀立ちで、曹洞宗本山・永平寺御用達の品だ。火を点ける前の匂いは上品かつしっかりした甘さで素晴らしく、点けると燃焼中はやや匂いが薄い感じでちょっと物足りなく思えるが、そのくらいの控えめな方が飽きにくくて良い。そして燃えた後の残り香でこそ真骨頂を見せてくれる。こんな優れた一品なのに沈香立ちではないから比較的安価なのも良い。
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