沈香随記

2012/1/24 | 投稿者: 鹿苑院

クリックすると元のサイズで表示します


天下第一の香木と呼ばれる蘭麝待。その正体は沈香である。すなわちある種の樹木が病気や害虫への対策として樹脂を出し、やがてその木が枯れて土に埋まって、樹脂が土中バクテリアによって化学反応を起こしてできる物を沈香という。そんないくつもの偶然の結果にできる物なので希少であり、従って値段は高い。
見た目はただの木だが、比重は重く水に沈む。だから沈香というのである。

沈香の中でも最も高品質なランクの物を伽羅と呼んで区別する。だから伽羅と沈香は本質的には同じ物であって、別の物ではない。蘭麝待が沈香であるのは確かだが、伽羅かどうかはよく分からないというのが正直な所である。無論、伽羅ともなると他のランクの沈香よりもさらに値段は跳ね上がり、グラム当たりで見れば純金よりも高い。

面白いことに沈香はそのままでは何の匂いもせず、加熱して初めて香るようになる。だから沈香の日本伝来には物語が伝えられており、ある日淡路島で流木を焚き火に使った所、突然良い匂いがしたので、これはただならぬ品だと驚いて朝廷に献上したものらしい。それが蘭麝待なのか別の沈香なのかは寡聞にして知らない。
0



コメントを書く

名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL





AutoPage最新お知らせ