歴史作家二傑

2011/8/15 | 投稿者: 鹿苑院

先日、吉川英治氏の「三国志」を読破した。休日などはほとんど夢中になって読み耽る日もあり、一度も退屈することがなかった。欲を言えば諸葛孔明没後の蜀の滅亡、晋による統一も詳しく描いてほしかったと思うが、それはまた何かの本で補完すればよかろう。ともかくも、今まで読んだ中で最高レベルの面白さだった。

歴史小説の横綱といえば私の中では司馬遼太郎氏がその地位にいたが、これで吉川氏が並んで東西両横綱になった。この両巨頭の作風はまったく対照的である。司馬氏は綿密な調査を重ねた痕跡が随所に見られる重厚な文でガツンとした読み応えがあり、読めば知識が増える。吉川氏には重厚さはどちらかといえば無く、軽快なリズムでいくらでも飽きずに読める。司馬氏が分厚い牛ステーキとするならば、吉川氏はこの時期には喉越しが嬉しい冷たいざるうどんと言ったところか。別な喩えで言えばパワーの馬場、スピードの猪木に対比してもあながちハズレではない気がする。
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