さて、この
エヴァの考察シリーズも遂に
『その10』という大台まで辿り着きました。
前回予告した通り、今回説明するのは
『ゼーレ』についてです。
これが、
エヴァの結末に至るための最後のピースだと私は考えています。
・・・
ということで、このゼーレに関して、今までの映像(TV版・旧劇場版・新劇場版)から判ることを軽く整理してみましょう。
<ゼーレについて明らかなこと1>
TV版や旧劇場版に登場したゼーレの構成員達は、人類補完計画により外側の人間部分のみがLCL化し、
内側の機械部分はLCL化せずに残りました↓
そして、この人間部分のLCL化の際には、
魂らしき光点が舞い上がっていく描写↓がありました。
旧劇場版において、この光点は、人類補完計画によりLCL化した人間達の魂↓と
全く同じ表現で描写されています。
これはつまり、
TV版や旧劇場版に登場したゼーレの構成員達↓は人類補完計画の対象であったということであり、要は、人間だったというこを意味しています。
ただ、その体内に
LCL化されない謎の機械部分を保持していたということです。
<ゼーレについて明らかなこと2>
一方で、新劇場版『Q』に登場するゼーレは、
既に外側の人間部分は無く、電気で稼働する機械部分のみの存在↓でした。
この機械部分は、旧劇場版でLCL化せずに残った機械部分と本質的に同じものであり、これこそが
ゼーレそのものであると私は考えています。
なぜなら『Q』において、碇と冬月が
この機械部分のみの存在をゼーレだと呼称していた↓からです。
すなわち、TV版や旧劇場版に登場していた、人間としてのゼーレの構成員達は、
本体である機械部分を保持するための単なる入れ物に過ぎなかったのではないでしょうか。
<ゼーレについて明らかなこと3>
さて、この機械で構成された
『ゼーレ』という存在が何者なのかについて考える前に、先ずは、
旧劇場版の冬月のセリフ↓を思い出して下さい。
冬月『使徒の持つ生命の実と、ヒトの持つ知恵の実・・・』
つまり、エヴァの世界には、
『知恵の実を与えられた生命体』 =
『人間(ヒト)』という関係がありました。
また、
『その6』でも触れましたが、
TV版23話のリツコのセリフ↓jも思い出して下さい。
リツコ 『・・・アダムから神様に似せて人間を造った。それがエヴァ。・・・そう、人間なのよ。本来魂の無いエヴァには人の魂が宿らせてあるもの。みんなサルベージされたものなの。・・・』
つまり、エヴァの世界では、
生命体としての形が異なっていたとしても、肉体としての器に人間の魂が宿っているのであれば全て『人間』と定義されるんです。
んで、その上で、
『Q』のゲンドウの言葉↓を眺めてみて下さい。
ゲンドウ『あなた方も魂の形を変えたとはいえ。知恵の実を与えられた生命体だ。・・・死をもって、あなたがたの魂をあるべきところへ帰しましょう』
このセリフには、少なくとも
以下の@ABの事実が開示されています。
@ゼーレは機械化された存在だが魂がある。
Aゼーレの魂は、本来の形から変化している。
Bゼーレは知恵の実を与えられた生命体である。
そしてこれらを、上述の冬月(旧劇場版)とリツコ(TV版23話)の言葉を考慮した上で意味が通るように行間を補足すると、おぼろげではありますが、
ゼーレという存在はこんな感じ↓に表現できるのではと私は考えています。
☆人間とは知恵の実を与えられた生命体である。
☆ゼーレは、知恵の実を与えられた生命体の魂の形を変化させた存在である。
☆故に、ゼーレは人間の魂を変化させた存在である。
★肉体に人間の魂を宿らせた生命体は人間と定義される。
★ゼーレは、自らの魂を変化させて肉体ではなく機械に魂を宿らせた。
★故に、ゼーレは人間の定義から外れた存在である。
そう、つまりゼーレとは、
『元々は人間だったが今は人間ではない機械生命体』というのが真相ではないでしょうか。
しかも、機械に魂を宿らせただけの存在であることを考慮すると、実質的には
『魂だけの存在』と言っても過言では無いでしょう。
・・・ん?
よくよく考えれば、
『ゼーレ(Seele)』はドイツ語で
『魂』って意味なので、
そのまんまじゃないか!(笑)
というか、TV版第14話のタイトル↓だって、要は
『ゼーレとは魂の居る場所』と言っている訳で、
ド直球でゼーレのことを説明していたんだなと今になって思ったりしてます。
・・・しかし、ゼーレは何故、機械に自らの魂を宿らせてまで、人間を辞める必要があったのでしょうか?
それは・・・
人類補完計画の
対象外となるため
(※正確には人類補完計画を含む○○○インパクト全体の影響を受けないようにするため)
であると私は考えています。
つまりは、こういうこと↓です。
※クリックで拡大

すなわち、
『その2』や
『その8』でも触れましたが、エヴァの世界では、
○○○インパクトによる世界の終焉と再生が繰り返されてきたと私は考えています。
この考えが正しい場合、○○○インパクトの度に人間はドロドロに溶かされ(LCL化され)、再構築されてきたはずです。
この再構築の際には、過去の歴史もひっくるめて記憶は書き換えられてしまうので、○○○インパクト以前の記憶は引き継げません。
しかしゼーレは、自らの魂を変質させて機械に宿らせたことにより、
その滅びと再生のサイクル(魂の輪廻)の外側に立つことができたのではないでしょうか。
つまり、何度○○○インパクトが発生したとしても、記憶を後に引き継ぐことができるので、
人類の絶対的な優位性を確保し続けることができたはず・・・ということです。
・・・そして、ここで問題なのは、
『人類の絶対的な優位性』とは、
『何』における
『何』に対する優位性なのかということです。
ではここからは、
エヴァの世界観を明らかにしていくことで、その優位性について説明していきます。
<エヴァの世界観その1 『トリガー』>
まず、エヴァの世界では、使徒が順番にネルフ本部に攻撃してきて、これを人間がエヴァで迎撃するという構図が成立しています。
そして、
最終的に勝ち残った生命体がトリガーとなって○○○インパクトが引き起こされるのだと私は考えています。
・・・そう、
トリガーとなって○○○インパクトを引き起こすのは人間に限らないのがポイントです。
その証拠として、『Q』において
使徒であるカヲル君がトリガーとなってフォースインパクトが発生しかけた↓という事実があります。
カヲル 『君のせいじゃない。僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガーだ。』
ここでさらに一歩踏み込んで、トリガーとなった生命体と○○○インパクトの関係について考えてみたいのですが・・・その前段階として
『ガフの部屋』についての情報を整理する必要があります。
<エヴァの世界観その2 『ガフの部屋』>
まず、エヴァ内の設定ではなく一般的な情報としての『ガフの部屋』とは・・・
ガフの部屋(ガフのへや)とは、ヘブライ人の伝説にある、神の館にある魂の住む部屋のこと。この世に生まれてくるすべての子供達は、この部屋で魂を授かり生まれてくる・・・
(Wikipediaより一部抜粋)
となっています。
つまり、一般的な位置付けとしての『ガフの部屋』とは、
この世に生まれてくる全ての生命体の魂が与えられる場所となっています。
一方で、エヴァ内における『ガフの部屋』の位置付けは、TV版23話のリツコのセリフ↓に開示されています。
リツコ 『・・・魂の入った入れ物は、レイ、一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったのよ。ガフの部屋は空っぽになっていたのよ。・・・』
つまり、エヴァ内における『ガフの部屋』とは、
生命体の中に存在する、魂を入れるための部屋となっています。
ということは、
生命体の数だけ『ガフの部屋』が存在するということが示唆されているんです。
その裏付けとして、
『旧劇場版』における冬月のこのセリフ↓の直後に・・・
人類のLCL化が始まった↓という点が挙げられます。
そう、LCL化とは
個々の生命体の『ガフの部屋』を開いてその中の魂を取り出すためのものだったんですよ。
・・・
さて、この『ガフの部屋』に対する
相反するように見える二つの意味↓ですが・・・
実は、エヴァの世界において
矛盾無く並び立っていると私は考えています。
その鍵は
○○○インパクトです。
<エヴァの世界観その3 『○○○インパクト』>
まず、
エヴァを使って○○○インパクトを起こすための条件は
『その6』で述べました。
また、実際に○○○インパクトが起こった場合の
ハード的な部分については
『その8』で述べました。
んで、ここからの○○○インパクトの説明は、世界の滅びと再生を司る部分ということで、どちらかというと
システム的な部分についてとなります。
そのシステム的な部分のポイントとなるのが、上述した
『トリガー』と
『ガフの部屋』の二つです。
では、私の考える
○○○インパクトによる世界の滅びと再生のシステムをご覧下さい↓
トリガーとなる生命体の決定

↓
トリガーとなった生命体の『ガフの扉』が展開される

↓
トリガーとなった生命体の『ガフの部屋』に格納されている『魂』の『情報』が『ガフの扉』に伝わる

↓
『魂』の『情報』とは
トリガーとなった生命体の『願い』『呪い』『意志』

↓
○○○インパクトが起動
↓
地球上の生命体がLCL化される

↓
LCL化によって個々の生命体の『ガフの部屋』から『魂』が取り出されて、アダム又はリリスの中に集められる(単体化)
↓
トリガーとなった生命体の『魂』の情報(願い・呪い・意志)を叶える形で世界は変化し、全ての生命体の『魂』が書き換えられる

↓
トリガーとなった生命体の『肉体』を基準とした新たな『肉体』を
アダム又はリリスが創造し、その新たな『肉体』の『ガフの部屋』の中に『魂(書き換え後)』が収められる
↓
その結果、元の世界とそこに住んでいた生命体は消滅し
トリガーとなった生命体の願い等を叶える形で
新たな世界とそこに住む新たな生命体が誕生することになる

・・・どうですか?
私の考えが正しかった場合、新しく造られた全ての生命体の『魂』は、
トリガーとなった生命体の『ガフの部屋』に格納されていた『魂』の情報(願い・呪い・意志)によって書き換えられていることになります。
つまり、トリガーとなった生命体の『ガフの部屋』が、
新しく造られた全ての生命体の『魂』の出発点だと言っても過言では無いんです。
どうです?
ここまでの私の考えを読んだ上で
この関係↓をもう一度見て下さい。
矛盾無く並び立っているように見えませんか?
それに、この考えが正しいとすると、
『トリガーとなった生命体のガフの部屋』と『新たな生命体のガフの部屋』とを繋いでいるのが『ガフの扉』ということになる訳ですよ。
いやもう、これ以上無いってくらいに説得力のある関係だと思いませんか?
・・・でも、この事実は新たな問題を浮かび上がらせます。
それは、私の考えが正しかった場合、○○○インパクト後に登場する新たな世界の新たな生命体は、
トリガーとなった生命体と同種の『肉体』を持ち、トリガーとなった生命体の願いによって『魂』が書き換えられているということです。
つまり、使徒がトリガーとなって○○○インパクトが発生した場合には、
次の世界の主役は使徒になってしまうってことです。
んで、おそらく人類は、
その使徒から主役の座を奪う側に成り下がるのではと私は考えています。
でも、世界の脇役となった人類にそんな力があると思いますか?
人類にあるのは、知恵の実により『知恵』を獲得した代償としての、
『死すべき定めの肉体』と・・・
・・・
『出来損ないの群体』としての個体数の多さだけです。
つまり、人類とは、使徒に負けて主役の座から転げ落ちた場合には、
おそらくもう二度と主役に返り咲くことはできないくらいに脆弱な生命体なんです。
(※あくまで使徒と比べての話)
だからこそ、ゼーレは、こんな
『人類と使徒のどちらが世界の主役になるか未確定な世界』において、常に人類側に絶対的な優位性を与えられるように、
○○○インパクトを越えて記憶を引き継いで使徒に対する準備を整えていたのではないでしょうか?
その準備とは、
死を背負った出来損ないの群体である人類に文明を与えて進化を促したこと↓であり・・・
・・・それが、最終的に
人類補完委員会、ゲヒルン、ネルフといった組織にまで繋がってきたのだと私は考えています。
だって、人類は脆弱なだけでなく、知恵の実を与えられたことにより獲得した
『知恵』もあるのですから・・・
ここまでが前置きです
(この展開もう飽きたとか言わない)
実は、上述した○○○インパクトの説明は概要みたいなものでして、実は
細かい部分の説明を色々と端折っているんですよ。
というのも、個々の○○○インパクトはそれぞれ
特殊な条件を含んでいるため、細かく見ると同じようには処理されていないんです。
ということで、ここからは、個々の○○○インパクトで何が起きていたかを詳しく見ていきたいと思います。
<『旧劇場版』のサードインパクト>
まず、上述した○○○インパクトの説明の中で、
トリガーとなった生命体の『肉体』を基準とした新たな『肉体』をアダム又はリリスが創造すると私は述べました。
これは、リリスベースの『肉体』を有した生命体がトリガーとなった場合には
次の生命体の『肉体』をリリスが創造し、アダムベースの『肉体』を有した生命体ががトリガーとなった場合には
アダムがその役を担うということを言いたかった訳です。
つまり、本来は、○○○インパクトの際に働くのは
アダムとリリスのどちらか一方だけじゃないかなと私は思っているんです。
しかし、旧劇場版の場合、
アダムとリリスの禁じられた融合↓が行われていました。
・・・といっても、融合が禁じられている理由とか
よく判んないんですけれどねw
尚、TV版や旧劇場版において、
アダムは『肉体』と『魂』が分離した状態でしたが、
両方ともちゃんとリリスに融合していることが表現されています↓
※クリックで拡大

んで、旧劇場版のサードインパクトです。
この旧劇場版のサードインパクトは、ゼーレと碇がそれぞれ独自に計画して、
今までの○○○インパクトとは異なる現象を起こそうとした結果生じたものだと私は考えています。
ただ、フタを開けてみればゼーレと碇が目指す所が結局同じだったという展開だったということかなと思っています。
おそらく、ゼーレの行動原理は
『行き詰った人類(群体)を完全な生命体(単体)に人工進化させるため』、碇の行動原理は
『ユイに会うため』、そんなところだったんじゃないでしょうか。
・・・さて、理由はどうであれ、アダムとリリスが融合した状況でサードインパクトは起動し、
『Q』公開直後の考察に書いたように、
サードインパクトがかなり進んだ段階でシンジが心変わりするというイレギュラーな状況に陥りました。
その結果・・・
@ トリガーであるシンジの願い等を叶える形で世界と生命体を再構築する処理
A 上記@の処理を中断して元の世界に戻す処理
の二種類の処理が混在した状態に陥ったのだと私は考えています。
これが、通常の○○○インパクトであったならば、おそらくリリスは、上記@Aのうち、
シンジが後に願ったAの方をだけ実行し、
@は実行せずにキャンセルしたはずです。
だって、いくらリリスとはいっても、
世界を構築するレベルの大掛かりな処理を2つ同時に進めるのは無理ってもんですよ。
でも、幸か不幸か、旧劇場版のサードインパクトでは
リリスはアダムと融合した状態だったので、手が空いているアダムが@の処理を肩代わりしたんだと私は考えています。
その結果、アダムによって@の処理が実行されて世界Aが新たに構築され、リリスによってAの処理が実行されて世界Bが再生されたのではないでしょうか。
(※世界Aと世界Bの詳細は過去の考察を参照のこと)
この考えが正しい場合、
Aの世界の人間は、全てアダム由来の『肉体』を持つことになっちゃう(つまりリリンではない)んですが、それは、
前に私が主張したことでもあるので、むしろ今回の考察により
真実味が増したかなという感じです。
<『Q』のフォースインパクト>
さて、順番が前後しちゃいますが、次は『Q』のフォースインパクトに関して説明します。
このフォースインパクト、上述したように使徒であるカヲル君がトリガーとなっています。なので、エヴァ第13号機が持っている二つの光の輪が拡大するのではなく、
これらとは別に新たに光の輪が発生します↓
そして、この光の環が
カヲル君由来のガフの扉となります↓
なぜなら、上で私の考えとして述べたように、ガフの扉とは、
『トリガーとなった生命体のガフの部屋』と
『新たな生命体のガフの部屋』とを繋ぐものなので、
他の生命体(この第13号機)由来のガフの扉では代用できないんです。
そして、このフォースインパクトでは、もう一つ重要な点があります。
それは、
使徒であるカヲル君がトリガーとなっている点です。
だって、考えてもみて下さい。
上で述べたように、使徒がトリガーとなって○○○インパクトが発生することは、
人類にとってあまり好ましい状況ではないはずなんですよ。
それにもかかわらず、ゼーレは、『Q』でカヲル君がトリガーになるのを黙認していましたし・・・TV版の第24話に至っては、
むしろ積極的にカヲル君をセントラルドグマに送り込んできました↓
このような不可解なゼーレの振舞いは、カヲル君が
ゼーレに管理された特殊な使徒であることと深く関連していると私は考えています。
要はですね、ゼーレは、カヲル君がトリガーとなった場合を想定して既に
何らかの処置を施しているんじゃないかってことです。
・・・実際、カヲル君がトリガーとなった『Q』のフォースインパクトでは、カヲル君用のガフの扉が開いたにもかかわらず、
カヲル君(第13号機)からガフの扉に向けての情報の伝達は行われず、その代りにネルフ本部の周囲に配置された12本の突起からガフの扉に向けて情報らしきものが流れていくこと↓が確認されます。
※クリックで拡大↓

おそらく、このネルフ本部から流れ出ている情報らしきもの↑は、
人類に有利な未来になるようにゼーレが用意したものであり、カヲル君の『魂』の情報(願い・呪い・意志)は一切含まれていないのではないでしょうか。
もしこの考えが正しかったとすると、
ガフの扉を見上げつつカヲル君が吐いたこのセリフ↓、とても重く感じませんか?
<『破』のニアサードインパクト>
さて、いよいよ『破』のニアサードインパクトについてです。
このニアサードインパクトのポイントは
ただ一つ。
それは・・・
シンジではなく初号機がトリガー
↓
という点です。
実際、
初号機の光の輪が拡大してガフの扉になっている↓ので、セリフのミスではなく
間違いなく初号機がトリガーとなっています。
ただ、何故初号機がトリガーとなってしまったのかなのですが・・・
正直なところ
よく判りません。
まぁ、私の想像では、本来はシンジがトリガーだったのが、
何らかの条件を満たしたことによってトリガーの権利が初号機に譲渡されたんじゃないかなと考えています。
たぶん、
このシーン↓が原因じゃないかなとは思うのですが・・・
そんなこんなで、結局、この『破』のニアサードインパクトは
カヲル君によって阻止されて終了してしまう↓訳なのですが・・・
・・・初号機が、
覚醒するだけでなく
トリガーにも内定するという、極めて重要な2つのフラグを立てるためのイベントだったのだと、今になって私は考えているんです。
<『破』と『Q』の間で発生したサードインパクト>
以前の考察で示しましたが、この『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトによって
世界Aと世界Bが一つに合体することになり、その一方で、
自律型に改造されたMarkYによって強制的に中断されるという結末を迎えたことによって、『Q』の崩壊した世界が形作られたのではと私は考えています。
問題は、この中断が
どのタイミングで行われたのかということです。
・・・
それを知るヒントは、『Q』の世界に林立する
謎の十字架↓にあります。
この十字架は、
旧劇場版で人類がLCL化された際に出現した十字架↓と同じものであり、『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトが中断されたことによって
地球上に残ったものだと私は考えています。
なぜならば、こうやって並べる↓と、
その形や寸法が酷似していることが一目瞭然だからです。
※クリックで拡大↓

ということは、『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトは、人類がLCL化された先の段階まで・・・つまり、
次の世界の新たな生命体を構築する段階まで進行していたということが言えるんじゃないでしょうか。
となると、今回の考察の流れからすると、
次の世界の新たな生命体のベースとなる『トリガー』は誰だということになるのですが・・・
上述したように、
『破』で初号機がトリガーになったまま↓のはずです。
・・・実際、『Q』のカヲル君は、
『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトのトリガーは初号機だと明言しています↓
そう、とても重要なことなので慎重に慎重を重ねて情報を一つ一つ確認してきましたが、『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトのトリガーは・・・
初号機
なんです。
ということは、『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトで構築される『次の世界の新たな生命体』は、
初号機の『肉体』を基準としたものとなるはずです。
これこそが、『Q』の世界のあちこちに登場する・・・
謎の巨人達(インフィニティ)↓
であると私は考えています。
つまり、人類の『魂』はLCL化によってガフの部屋から取り出され、
初号機に保存されているユイ(綾波ユイ)の『魂』↓を基準として書き換えられた上で・・・
・・・初号機を模した『肉体』に入れられて、新たな生命体に作り替えられてしまったというのが、
インフィニティの真実なのではないでしょうか。
ただ、『破』と『Q』の間で発生したサードインパクトは、
以前の私の考えが正しければ、自律型に改造されたMarkYがアダムとリリスを機能停止に追い込むことによって中断されたため、
中途半端な状態で処理が強制終了しているはずなんです。
つまり、インフィニティも、その構築が完了する前に放り出されたような状態になっているはずであり、それが、
カヲル君が『インフィニティのなりそこない』と呼ぶ所以なのではと私は考えています。
<最後に>
ゼーレ説明から始まった今回の考察ですが、
まさかのインフィニティエンドという結末になり、皆さんの期待をまたしても良い意味で裏切れたのではないかと思っています。
いかがでしたでしょうか?
・・・さて、当初とはちょっと予定が変わってしまって申し訳ないのですが、次回の
『その11』では、ゼーレの更なる核心
『ネブカドネザルの鍵』に迫りたいと思います。
んで、更にその次の
『その12』で、エヴァという作品がどのような結末を迎えるかについて、そして、
シン・エヴァンゲリオン劇場版↓が意味するものが何かについて、私の考えを説明する予定です。
・・・いや、今回の
『その10』に追記すれば十分かなと思っていた内容が、いざ書き始めてみたら書くことが沢山でてきてしまって収拾がつかなくなってしまったのです・・・
ということで、なんかグダグダな展開になってしまいましたが、今回はここまでとします。
ではっ!