さて、今回は
『エヴァで多くの人が気付いていないこと その5』の続きをちょこっとだけ書きたいと思います。
まぁ、そんな大層な話では無いってことで、外伝的に
『その5.5』として御送りします。
・・・んで、今回説明したいのは、ズバリ、
新劇場版のエヴァのコアユニット↓についてです。
・・・そう、TV版&旧劇場版のコアは
エヴァに埋め込まれた臓器のような扱いでしたが、新劇場版のエヴァのコアは
コアユニットという形で取り外し可能なんです。
このコアユニットですが、新劇場版では少なくとも3種類が確認できます。
L-00タイプ (レイ用)
L-01型相互交換式コアユニット (シンジ用(推定))
CORE UNIT TYPE-S-02 NERV EU (アスカ用)
これらが確認できるのは以下の部分です。
んで、これらの画像↑や、その画像が示される劇中のシーンの内容から、TV版や旧劇場版のコアには無かった、
コアユニットならではの特徴↓が読み取れます。
<特徴@>
コアユニットを取り外して別のエヴァに取り付け可能
『L-01型相互交換式コアユニット』って書いてあるんだからそのまんまですが、コアユニットは単に取り外せるというだけでなく、ほかのエヴァとの間で交換できるってことです。
つまり、コアユニットさえ交換すれば
操縦者は他のエヴァと容易にシンクロ可能であることを示しています。
というか、サラッと書いてしまいましたが、
コアがエヴァの最も重要な臓器のような扱いだったTV版や旧劇場版と比べると、随分と違うと思いませんか?
・・・尚、ちょっと補足しておきますが、コアユニットが搭載された機体は
『零号機・初号機・2号機・3号機・4号機・仮設5号機・8号機』・・・つまり世界Aで造られたエヴァだと私は考えています。
世界Bで造られたであろう
『Mark.06 ・ Mark.09』の二機は、
その4でも述べたように建造方式が違うので、コアユニットではなくて
TV版・旧劇場版と同じようなコアが搭載されているんじゃないでしょうか。
<特徴A>
操縦者毎に専用のコアユニットが用意されている
この点については、
『TV版や旧劇場版のコアも似たような設定だったじゃないか』という意見が出てきそうですが、TV版や旧劇場版のコアは、
システムの書き換えだけで初号機にエントリー可能なレイという例外↓が許容されていたって時点で、ルール的には結構アバウトだったんですよ。
(※まぁ、ストーリー的に必要な表現だったというのもありますが)
しかし新劇場版では、そのレイでさえもコアユニットを変更してエントリーするという形になっており、
操縦者とコアユニット(というかその中のコア)とのペアリングは厳格に規定されていると推定されます。
そして、この点についてさらに深く考えると、この特徴Aは、他の操縦者用のコアユニットに対するエントリーは
想定されていないというか、おそらく
不可能であることも示しています。
だって、考えてみてください。
自分用のコアユニットに交換すれば他のエヴァに簡単にシンクロできるようなシステムなのに、
他の操縦者用に調整されたコアユニットをあえて使ってエヴァにシンクロするなんてことすると思います?
例えるならば、
自分専用の生体認証キャッシュカードのはずなのに何故か他の人にも使われてしまうようなシステムとでも言えば判りやすいでしょうか・・・
控えめに言っても、
それはない
って思いませんか?(笑)
・・・とまぁ、コアがユニット化されることで、こんな感じの違いが生じた訳ですが、正直なところストーリー的には
『だから何なの?』という微妙なレベルの違いしか無いようも見えます。
でも、新劇場版を作成するに際して、そんな微妙な変更がどうしても必要だったのだと私は考えています。
というのも・・・
『序』の絵コンテ↓を見れば判るように、実は新劇場版のコアも
最初はTV版や旧劇場版と同じ設定だった(相互交換式ではなかった)んですよ。
それが、『序』が完成するまでのどこかの段階で設定変更を余儀なくされたんです。
・・・それは、おそらくですが、『破』で登場する新キャラ、
真希波・マリ・イラストリアス ↓をストーリーに組み込むための処置です。
なぜなら、『破』においてマリは2号機に搭乗する↓訳ですが、仮に、TV版や旧劇場版のコアと同じような設定だったとすると
『2号機=アスカ専用』ということになってしまい、
ストーリー的に対応が困難な状況となってしまうんです。
だから、マリを2号機に無理なく搭乗させるための新たな仕組みが必要になり、それが、
エヴァ間で相互にコアを交換できるようにするためのコアユニットというシステムを生み出させたのでは、と私は考えているんです。
まぁ、実はTV版でも、操縦者が使い物にならなくなったと判断した場合には、エヴァが無用の長物となるのを避けるためか、最終的な手段として
コアを変換することはあり得る↓ようなのですが、おそらくハード的にもソフト的にも大掛かりで手間のかかる作業を必要とするものであり、おいそれと交換できるような代物では無いはずです。
(※簡単に交換できるのであれば、カヲル君を搭乗させる前にコアを交換したはず)
その一方で、『破』のストーリーを考えた場合、第10の使途の襲来に合わせて緊急で2号機の封印を解いて準備したってことを考えると、
手間のかかる作業なんてやってる暇なんか無い訳ですよ。
だからこそ、ストーリーの整合性を保つという観点でも、コアを簡単に交換可能なコアユニットという設定が必要だったのではと私は考えています。
・・・そして、実はコアユニットの特徴は上述の@Aだけでは無いんです。
『破』のストーリーに適合するように作られたような
追加設定↓があります。
これ↑は操縦者にもバックアップが存在するということを強調するためのシーンですが、
『全てにバックアップを用意』と言うからには当然ながら
コアユニットも(つまりコア自体も)例外ではないはずです。
そう、コアユニットにバックアップがあるからこそ、
仮設5号機が蒸発してマリ用のコアユニットが失われた↓にも関わらず・・・
・・・第10の使途が襲来した際、
バックアップのコアユニットを使うことにより、何事も無かったかのようにマリは2号機に搭乗していた↓って寸法なんです。
つまり、
新劇場版のコアって唯一無二の物では無いんですよ。
TV版や旧劇場版の随所にあった、
『エヴァのコアには操縦者の母親の魂が込められている』とか、
『母親のいない子ども達がシンジのクラスメイトとして集められている』とか、
『そんな子ども達を集めるためのマルドゥック機関』といったような、エヴァを起動するためには
操縦者とその母親との結びつきが必須であることを示唆する設定↓の数々が
新劇場版では何故か見当たらないのは、人間の魂のバックアップは無理だという作り手側の意図の表れだったりするのかな・・・と私は考えています。
※これら↑の設定は新劇場版には見当たらない
尚、新劇場版にマリ用のコアユニットの情報は具体的には出てきませんが、マリのプラグスーツの番号が
05で所属が
NERV EUであることを考慮すると、おそらくこんな感じ↓になると思います。
CORE UNIT TYPE-?-05 NERV EU
つーか、コアユニットに付されている『S』や『L』の記号がすげー重要っぽい気がするんだけれど、正直なところ私には判んないんです。困った(苦笑)
・・・こんな感じで今回は、新劇場版のコアユニットに関して色々と書いてみました。
ここまでが前振りです
ということで、ここまでの前振りを考慮した上で皆さんに質問を一つ。
『エヴァ改2号機に搭載されているコアユニットって誰用のものだと思いますか?』
・・・まず、
今までの考察で何度か触れていますが、『Q』のアスカは『序』『破』の式波・アスカ・ラングレーではなく、TV版や旧劇場版に登場した
惣流・アスカ・ラングレー↓だと私は考えています。
※2014年末の日本アニメ(ーター)見本市で公開されたアスカ。
前向きのアスカが『惣流』で、横向きのアスカが『式波』だと私は考えてます。
ということは、私の考えが正しいとすると、『Q』のアスカ(惣流)には
専用のコアユニットが用意されている訳がないんです。だって、TV版や旧劇場版の世界出身なんだから。
その一方で、
『その5』でのエヴァ改2号機がエヴァ第12号機じゃないかという私の主張の真偽はともかくとして、
エヴァ改2号機のベースが新劇場版『破』のエヴァ2号機であるということについては皆さん異存無いのではと思います。
でも、そうだとすると、
エヴァ改2号機も、エヴァ2号機と同様にコアユニットを装着するタイプのエヴァであるということになっちゃうんです。どう考えても。
・・・そう、つまり彼女↓は、
自分用のコアユニットを持っていないにも関わらずエヴァ改2号機に搭乗している状態なんです。
不思議だと思いませんか?
この謎を解く手がかりは、上述した
生体認証キャッシュカードの例え話にあります。
この
生体認証。ことキャッシュカードにおいては
指静脈認証ですが、双子であっても血管の形状は異なるため個人の識別にはもってこいとのこと。
でも、ちょっと考えれば誰でも気が付く
大きな落とし穴があります。
それは・・・
同じ形状の血管を持っていたら
同一人物と認証されてしまう
という単純なお話。
(※実際は、赤の他人同士でマッチングする確率はとても小さいですが)
そして、このことは
コアユニットでも同じはずです。
そう、だから『Q』のアスカ(惣流)は、自分と同じ生体情報を持った
アスカ(式波)用のコアユニットでエヴァ改2号機にシンクロしていた↓のではないかということです。
つまり、判りやすく言い換えると、
アスカ(惣流)はアスカ(式波)用の生体認証キャッシュカードでATMにアクセスしたのでは?ってことです↓
んで、ここからが重要なんですが、ATMにアクセスして認証されると、端末情報などの諸々の情報と共に
カード登録者名が画面に表示される↓じゃないですか。
このカード登録者名↑はカード作製時に予め記録された情報であり、
後から書き換えられるようなものでは無いことは皆さんご存知ですよね?
だから、
アスカ(惣流)がアスカ(式波)のカードでATMにアクセスした場合、その画面に表示されるのはアスカ(式波)の登録者名ということになるんです。
そして、これは
コアユニットでも同じ↓です。
だって、最初の方でも述べましたが、コアユニットは対象となる個人専用に作られるものであって、他の人が搭乗することは想定されていないんです。
だから、普通に考えれば
登録者名を書き換えられる様には作られていないってことで、アスカ(惣流)が搭乗していたとしても、表示されるのは、コアユニットの登録者名であるアスカ(式波)の方になるんです。
(※誤記訂正しました。)
『Q』のエヴァ改2号機内にアスカ(式波)の名前が表示されているのには、こんな理由があるのかな・・・と私は考えているんです。
・・・
という感じで、今回はコアユニットに関していろいろと述べてみました〜♪
次回を乞うご期待ということで、ではっ!