「ライトノベルも良いですが、たまにはSF小説もいかが?」
書籍

今週はエヴァの話題が多かったので、
今日は、
庵野秀明氏が関わった作品についてちょっと。
(※以下、庵野監督と表記します)
そう、有名な話ではありますが、
庵野監督が関わった作品は
最終話にSF小説の名前が冠されています。
折角の機会なので、
それらを順に紹介したいと思います。
<トップをねらえ!>
最終話:
「果てし無き、流れのはてに…」
小説名:
「果しなき流れの果に」 小松左京(著)
時間の流れに挑んだ、SFの傑作。
いわゆる時間旅行を題材とした小説なのですが、
1966年の作品とは思えない程に斬新な展開が繰り広げられます。
そして、読み終えた後の感覚は、
他の作品では得ることのできない独特な味があります。
ちなみに1997年の『SFマガジン』500号にて、
日本のSFのベスト1に選出されてるデス。
個人的には、
谷川流の
『涼宮ハルヒの憂鬱』や
『学校を出よう』は、
本作のアイディアをオマージュ的に取り込んでいると思っています。
(※あくまで個人的見解デス)
谷川流のファンは、読んでみることをお勧めします。
蛇足ですが、本作は、トップをねらえ!の原作という位置付けではありません。
むしろ原作(元ネタ)としては
「さよならジュピター」の方が近い感じ。
<ふしぎの海のナディア>
最終話:
「星を継ぐ者・・・」
小説名:
「星を継ぐもの」 J・P・ホーガン(著)
ハードSFにも関わらずサスペンスのように読み手を引き込む展開は、
J・P・ホーガンの真骨頂!
読んでみればわかりますが、
ナディアの原作と言っても過言でない作品であり、
エヴァのアイディアも、一部はここから来ていると思われます。
本作はシリーズ化されており、
第2部の
ガニメデの優しい巨人、第3部の
巨人たちの星で完結。
(※外伝として内なる宇宙があります)
是非とも読んで欲しい作品デス。
(私は、子供の頃に父親から勧められて読みました)
<新世紀エヴァンゲリオン(1995年TV版)>
最終話:
「世界の中心でアイを叫んだけもの」
小説名:
「世界の中心で愛を叫んだけもの」 ハーラン・エリスン(著)
(読んだのが昔過ぎて小説が見つからんw)
独特な雰囲気のSF短編集。
読み手によっては単に乱暴な内容と思われるかも。
しかしそれは、人間の本質を無慈悲に描写したものであり、
突き詰めればとても奥が深いものと感じるはず。
数年前、似たような名前の恋愛ドラマが流行りましたが、
本作とは何の関係もありません。
つーか、
もう少し題名を考慮しろと思った・・・(苦笑)
<劇場版 新世紀エヴァンゲリオン(1997年)>
最終話:
「まごころを君に」
小説名:
「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス(著)
この作品だけ
最終話と題名が一致しませんが、
実は、1968年に映画化されたときの題名が
「まごころを君に」であり、
そちらを採用したと言われています。
この本はの紹介は・・・ちょっと難しいですね。
是非とも読んで欲しいとしか言えません。
あと言えるとするならば、
この本を読んでから1997年の劇場版エヴァを観て欲しい。
判り難いと言われているストーリーが、おぼろげに理解できるかもしれません。
蛇足ですが、
彼氏彼女の事情の第9巻で文化祭で演じられた
「鋼の雪」は、
本作をベースにした内容だと私は思っています。
<トップをねらえ2!>
最終話:
「あなたの人生の物語」
小説名:
「あなたの人生の物語」 テッド・チャン(著)
鬼才、テッド・チャンのSF短編集!
題材として『神』を扱った内容が多いですが、
あくまで
SFの味付けとしての『神』であって宗教色はありません。
むしろ、開き直ったかのような
盛大な皮肉とも取れます。
そこに盛り込まれているアイディアは斬新で奇抜。
にも関わらず、そのテイストは古風。
も〜、たまりませんなwww
問題は、もう何年も待っているのに
テッド・チャンの新刊が出ないことでしょうか(泣)
<天元突破グレンラガン>
最終話:
「天の光はすべて星」
小説名:
「天の光はすべて星」 フレドリック・ブラウン(著)
宇宙への飽くなき憧れを描き切った傑作。
情熱と哀愁とが弾けるように交錯して迎える結末は、
とても味わい深いものです。
歳を経る毎に共感できる部分が増える。
そんな作品です。
・・・
さて、ここまで書いてみたものの、
大きな疑問が一つあります。
それは・・・
エヴァンゲリヲン新劇場版の最終話の副題は何になるのか?
ということ。
個人的には、以下の二冊のどちらかが来るんじゃないかな、
と
勝手に予想(期待)しています。
<予想1>
「しあわせの理由」 グレッグ・イーガン(著)
<予想2>
「天の向こう側」 アーサー・C・クラーク(著)
現段階でストーリーの予測が難しいのでなんとも言えませんが、
候補としては良いセンを行っているんじゃないかなぁ・・・
まぁ、どちらもSF短編集であり、とても面白い本です。
気になった方は是非とも読んで下さい〜♪
<※2021年2月20日追記>
やっべー、このページ
10年以上放置してた。
シンエヴァンゲリオン劇場版の副題ですが、結局
『未来からのホットライン』の英語版の題名である
『Thrice Upon a Time』になりましたね。
Twitterでも書きましたが、今のところ
私が予想するシンエヴァンゲリオン劇場版の結末にドンピシャな副題ではあるのですが・・・さてどうなることやら。
もし、万が一、私が書いた一連の考察がある程度当たっていた場合には、庵野監督がエヴァを作る際に参考にしたのでは・・・と私が目星をつけている小説を紹介したいと思います。