失うこと、別れること、終わらせること、、、
それは悲しいこと、だけとは限らない。
嬉しい別れもある、失くすことで始めて分かることもある、終わることで始まることもある。
失くさずに得ることもある。
別れずに続けられることもある。
終わらせずに始められることもある。
その逆もまた然り。
それは単なる方法論。
選んだ手段が違うだけのこと。
どちらにしてもそれはその先へと向かうため道。
立ち止まるための選択ではないはず。
だから歩かねばならない。
長い時間立ち止まっていてはいけない。
「失くす」ということは「得る前に戻る」というだけのこと。
「別れる」ということは「出会わなかったことになる」というだけのこと。
「終わる」ということは「終わりはもうこない」というだけのこと。
それだけのことで、それ以上のことは何もない。
色々な喪失について書かれた短編集。
切なさ、悲しさの先にあるものはその対極にあるもの。
それにさえ気づければ、立ち止まっているのはあまりにも勿体ないこと。
だから歩こう、先に進もう。
そんな明るい読感を抱きました。
反吐が出そう、という程度ではないくらいに、少しだけ心地良くね。

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