朝、起きたら禿げていた。
髪を左右に分けたら、真ん中が禿げていたのである。
海原はるか・かなたである。
まさに悪夢。
禿げている人には悪いが。
そんなことち〜っとも思ってもいないが。
兎に角、早く白髪になりたい。
台風一過の空は見ていて飽きない。
高い所でどっかりと居座る鈍色の雲。
その下を絶え間なく流れる綿雲。
所々に顔を見せる青い空。
これは混沌か。
あるいは清浄か。
天恵か。
それとも罰か。
そんなことはどうでもいい。
次いつ見れるか分からない、今だけの光景、ひとときの幻想。
だから惹きつけられる。
感じることがある。
それはとても大切なこと。
誰が何と言おうと、感じようと変わらない。
誰が死のうと、悲しもうと関係ない。
ワタシは台風が好きだ。
好き嫌いに理由など要らない。
ただ、それ以上の意味はない。
年齢を気にするということは、今を生きていないことの証明。
若かろうが老いていようが、考えていることは皆本質的には同じ。
話していることも、楽しいことも悲しいことも何もかも。
そんなに違いはない。
いつだって同じ。
同じようなことに悲しみ、同じようなことに幸福を感じ、同じようなことをして生きているだけ。
自分以外の存在を否定し、同化しながら、それを繰り返しながら。
死という未来を拒絶しながら生きているだけ。
ただそれだけのこと。

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