abc 予想。  Topics

以下, 自然数と言うのは, 正の整数のことを差す。
自然数の素因数分解 n = p1e1…pmem に対し
r(n) = p1…pm
と書く。
自然数の三つ組 (a, b, c) で,
c = a + b, a < b, で a と b は互に素
を満たすものを abc-triple と呼ぶ。

事実: r(abc) < c を満たす abc-triple は無限個ある。 (a, b, c) = (1, 32n - 1, 32n) はこれを満たす。

予想: abc-triple (a, b, c) の全てが c < r(abc)2 を満たす。

(関連する) Beal 予想: p, q, r が3 以上の自然数の時, xp + yq = zr を満たし, どの二つも互に素であるような自然数 x, y, z は存在しない。

(互に素でなければ 23 + 23 = 24 という反例がある)
Oesterlé, Masser の abc 予想: 実数 κ > 1 を任意に取って固定する。 abc-triple (a, b, c) は, 有限個の例外を除き, 全てが c < r(abc)κ を満たす。

κ = 1.6 の時三つの例外が知られていて (下に書いてあるκ は c = r(abc)κ となるもの)
(a, b, c, κ)
= (2, 310・109, 235, 1.62991...),
(112, 32・56・73, 221・23, 1.62599...),
(19・1307, 7・292・319, 28・322・54, 1.62349...)
だけである。

Elkies の定理: 代数体上の種数が 2 以上の代数曲線の有理点は有限個である [Mordell 予想, Faltings の定理] が, その有理点を全て決定する algorithm は “Oesterlé, Masser の abc 予想” によって得られる。

Beal 予想の多項式類似: 自然数 p, q, r が 1/p + 1/q + 1/r ≦ 1 を満たす時,
X(t)p + Y(t)q = Z(t)r
を満たす互に素な多項式の組 (X(t), Y(t), Z(t)) は, 全てが定数のものしか存在しない。

多項式 A に対し R(A) を, A を (複素数で) 因数分解したときに出てくる因数を一つずつ取って作った多項式, r(A) をその次数とする。 r(A) は, 方程式 A = 0 の重複度を考慮しないで数えた解の個数に一致する。 この時
ABC 定理 [Stothers, Mason]: 三つの多項式 A(t), B(t), C(t) が三条件
A(t) + B(t) = C(t), どの二つも互に素, どれか一つは定数でない
を満たす時に
max(deg(A), deg(B), deg(C)) < r(ABC).

[山崎隆雄, フェルマーの最終定理と abc 予想, 続・解けそうで解けない問題, 数学セミナー (12), 2010]
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