H27 神奈川県公立高校入試の数学の問六の (ウ) は難し過ぎないか  高校数学

本当は高校数学ではなくて高校入試だから, 中学の数学ということになるが, 高校入試だから丁度境目だということで少し許してもらうことにしよう。

問題はこういうものである。
問 6 右の図 1 は, 線分 AB を直径とする円 O を底面とし, 線分 AC を母線とする円錐であり, 点 D は BC の中点である。
AB = 6 cm, AC = 10 cm の時, 次の問いに答えなさい。 但し円周率は π とする。

(ウ) この円錐の表面上に, 図 2 のように点 A から線分 BC と交わるように, 点 A 迄線を引く。 このような線の内, 長さが最も短くなるように引いた線の長さを求めなさい。
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因みに (ア) の体積の問題は簡単だし, (イ) の AD 間の距離は相似を一回, 三平方の定理を二回使えば出来るのでそれほど難しくない。
ところが (ウ) はどうであろうか。

多くの人 (受験生) はこの問題は展開図を描けば簡単に解けることを知っているだろう。
そこで展開図を描いてみる。
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そうすると, 図で線分 AA' の長さを求めれば, それが求める最短の距離であることが分かる。
当然扇形の中心角が知りたくなるだろう。
それは 360°・(3/10)= 108°となる。
頂角が 108°で等辺が 10 cm の二等辺三角形の底辺の長さをどうやって求めるかということになる。
直ぐに分かることだが, 頂角が 108°ということは, 底角は (180° - 108°)/2 = 36°である。
この 108°, 36°というのに見覚えがあるかどうかが問題である。
良く考えてみると 108°というのは正五角形の一つの内角の大きさに等しい。
そうなると, つまりは一辺 10 の正五角形の対角線の長さを求めろというのに等しい。
そういうことが分かると, 答えが直ぐに分かる人もいるだろう。 黄金比を求めるのと基本的には同じである。
つまり次のような図を描く (図は正確ではない)。
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△ACA' と△ADC が相似になるように描くのが point である。
つまり ∠ACD = 36°に取る。 すると必然的に ∠ACD = ∠CDA' = 72°になり, A'C = A'D = 10 の二等辺三角形になる。 ここが point と言えば point である。
そうすると △ACA' ∽ △ADC であるから AC:AD = AA':AC.
ここで x = AD = CD と置くと 10:x = (x +10):10.
x(x + 10) = 100 から x2 + 10x - 100 = 0.
ここから本来は解の公式に行くのだが, 中学三年生はまだ習っていないという事実からすると
x2 + 10x + 25 = 125
(x + 5)2 = 125
x + 5 = ±5√5.
x = -5 ± 5√5 となるが, 明らかに x = AD > 0 なので x = -5 + 5√5.
そして求めるのは AD ではなく AA' だったから AA' = 5 + 5√5.

これは確かに中学三年までの範囲で解けることは解けるが, すべての中学生が数学が良く出来るというわけではない, どころか半数以上 (どころか多分三分の二以上) の受験生は, 数学をそれほど得意としていないという事実からすると, この問題は一部の受験校向けであって, 入試の問題としては難し過ぎて適切でない高校の方が多かったのではないかと推察する。
多分, ほとんどの高校で, この問題は空欄であったか, 書いてあっても正解とは程遠い答えだったのではないだろうか。
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タグ: 数学 高校



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