2010/5/31

三昧境7  三昧境

三昧境7
香によれば木犀なりし無月かな
たまゆらの風にあそべる葛の花
芭蕉忌や現世(うつしよ)の句風あきたらず
読みさしの猿蓑集や桃青忌
爽やかに箒目踏んで出勤す
嗅ぎよりて犬の去りたる夜番かな
草家戸に師走さまなる灯を洩し
宿下がり母の老けしが寂しかり
やぶ入りの髪伸ばし足る倅かな
初大師昏れて紙屑ふかれ居り
初髪の衿を抜きたる姑かな
かはたれの鰐口ひびき初大師
五月雨る戸走りに蝋引かせけり
大石斑魚(おほうぐい)料る五月の出刃を研ぐ
公園や五月の氷菓児は欲りて
今年亦孫に撹綱(あみ)買う皐月かな
真ん中に篭り老鶯独りきく
老鶯や正門は鎖し人住める

            つづく
タグ: 俳句



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