2010/3/21

三分間俳句講座12  三分間俳句講座

三分間俳句講座12

一日に三分で記事を読んであと七分間俳句について考えてください。
一日十分で半年を目標に基本をマスターします。

さて、前回の続きです。

朧夜の遅れ癖つく時計かな

「朧夜というなんとなく甘く切ない夜、時計に遅れ癖までついてしまった」
これでも、スタートからくらべればだいぶ良くなりました。
ただ、この句は「時計の遅れ癖」という事実を語りそれではあまり詩心がないので「朧夜」という季語を借りて季語の力で詩心を高めたものになっています。

これからが難しいのですが「俳句は何も語れぬもの」という考えがあります。
たしかに十七文字の中では何も語ることはできません。
それゆへ、一句を提示することにより、読者に想像してもらうことが大切です。
もし、読者がこの句に興味を持ってくれれば、作者は何も語らなくても読者が物語りや絵画を胸の中に描いてくれます。
しかし、残念なことに、この季語だけで成り立っている句は読者に対してインパクトが薄く、読者はこの句に興味を持ってくれるかどうか不安です。

そこで、一つインパクトを入れて見ましょう。

インパクトを入れる方法は色々あると思いますが今回は時計の色を入れて見ましょう。
いろはどんな物にもあります。うまく使えばインパクトのある作品に仕上がります。
目の前の時計は赤と白です。
ここは二色使うのも煩わしいので「赤」だけを使ってみましょう。
どこに入れるかですが切れ字「かな」を取れば入りそうです。

朧夜の遅れ癖つく赤時計

さて切れ字「かな」を取ったとたん句のしまりがなくなってしまいました。
なんんとなく、改悪のような気もします。

これは中七の説明的な表現と赤時計という幼稚な表現が原因かと思います。
「遅れ癖」をもう少し強い表現「狂い癖」に変えてみましょう。

朧夜の狂い癖つく赤時計

そして「赤時計」を「赤い時計」に変え

朧夜の狂い癖つく赤い時計

字余りになってしまったので、余分な言葉「つく」を省きます。

そして句の順番を変えて字あまりを無くします。

朧夜の赤い時計の狂い癖

このとき「の」という助詞が二つになってしまいました。

これは「の」をさして「流れるような表現」という時と「の」は切れが悪いので良くない。「の」は余分というという考えの二つがあります。これはその時の自分の句にたいする気持ちですから、自分で判断することが一番正しいですが、今回は基本的な話なので切れ字「や」を使い「朧夜」という天文表現と「時計」という日常の道具を二つにはっきり分けます。

朧夜や赤い時計の狂い癖

最後にこの句を文語表現に変えます。
旧仮名使いや文語表現は、俳句では無理に使わなくても良い方向になりつつあります。
今回はあくまで練習ですので変えます。
この話はいつか又いたします。
文語では「赤い」「赤き」になり「狂い」は「狂ひ」になります。

朧夜や赤き時計の狂ひ癖

しかし、これではどう考えてもリズムが悪いです。
もう一度口語表現に変えて

朧夜や赤い時計の狂い癖

の方が良いでしょう。
この句はやはり、口語で作っておきます。

これで良いのかどうかは実は判断の難しいところなのですが、一句は何年もかけて成長させるものだとも思います。
今回はこれで完成とします。










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