中村不折コレクション
宋・元時代の書画 (会期:10/11 〜12/23)
北宋(960〜1127)、南宋(1127〜1271)、元(1271〜1368)の時代の中国の書画を特集した展示。
書道博物館なので、「書画」と言っても、「画」のほうは少なく、次の通り。
米フツ(1051〜1107、北宋)<山水図軸> 山は線描ではなく、筆の腹の部分を押し付けたできた楕円を、濃淡をつけて多数並べて表現している。 署名によって米フツ52歳(1102年)の作品であることが知られる。
銭選(元・13世紀)<宮女之図軸>(絹本彩画、一幅) 絹地が色やけしているものの、白い顔と衣服の赤や緑がコントラストが引き立つ。
盛懋(セイボウ、元・13〜14世紀)<山水図巻> 絹本の長巻。
呉鎮(1280〜1354、元)<墨竹譜巻>(絹本墨画、一巻、1351年) 竹の絵に書。書はゆったりではあるが、速度のある筆跡。
宋代の書家で「北宋の四大家 」と呼ばれるのは、
蔡襄(1012〜1067)、
蘇軾(1036〜1101)、
黄庭堅(1045〜1105)、
米フツ(1051〜1107、フツの字:草冠に市)
ついでに、
書聖、王羲之(生没年不詳、303?〜361?)は、東晋(317〜420)の政治家。 その子に、王献之(344〜386)。
初唐の四大家は、『九成宮醴泉銘』の欧陽詢(557〜641)、『孔子廟堂碑』の虞世南(558〜638)、『雁塔聖教序』のチョ遂良(596〜658、チョの字:衣偏に者)、鶴などの花鳥画でも知られる薛稷(649〜713)。
唐代中葉には、『建中告身帖』の顔真卿(709〜785)
今回の展示では、
北宋太宗(939〜997)が編集を命じた集帖『淳化閣帖』や「北宋の四大家 」の作品が並びます。
蔡襄<謝賜御書詩表巻>(チラシの上半分)
<顔真卿自書告身帖跋>
蘇軾<帰去来辞> 清代の集帖『秋碧堂帖』所収の拓本。 陶淵明「帰去来辞」をたっぷりとした運筆で書いている。 陶淵明、本日2回目の登場(1回目は山種美術館)。
米フツ<蜀素帖> 明代の集帖『戯鴻堂帖』所収の草書の拓本。
ほかには、
南宋高宗(1107〜1187)<詩経> 明代の集帖『快雪堂帖』所収。 王羲之・献之父子の小楷書に学んだと思われる、南宋初代皇帝の書。
張即之(1186〜1263)<仏遺教経巻> 肥痩を組み合わせた、細字の行書。 『仏遺教経』、正しくは、『仏垂般涅槃略説教誡経』。
などが良かった。
参照サイト
書道博物館
メモ: 最寄り駅 JR鶯谷駅
料金 500円
滞在時間 約30分
帰途、北千住駅で停車中の電車の車体に書かれた数字が、左からでも右からでも同じ数字。
こういう数字は、「101」で割り切れます。

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