一昨日、雨の日曜日、
東日本大震災復興支援企画 「第3回イーハトーブ・プロジェクトin京都 」
無事に終了致しました。
足もとの悪い中お集まりのたくさんのお客さま、ボランティアスタッフの皆さん、この大きな催しに出演の機会を与えて下さった、主催のアートステージ567の本田ご夫妻、浜垣誠司さん、本当にありがとうございました。
まず、今回は第3回と云うことで、観客として参加した第1回と第2回のレポートブログから・・・・・・
第1回
http://moon.ap.teacup.com/mopoct/266.html
第2回
http://moon.ap.teacup.com/mopoct/277.html
岩手の空や土や水や山の中から、そっくり切り出してきたような岩手の言葉で、賢治の作品を時にとつとつと、時に激しくかたられた第1回の朗読家、すがわらてつおさん。
「能」という、長い長い時間と伝統に裏打ちされた声と身体の動きで、『ひかりの素足』と云う物語を『光の素足』という現代能へと昇華された第2回の能楽師、中所宜夫さん。
さて、お二人の大きな素晴らしい表現のあとで、是非第3回にとお声がけいただいたものの自分に何が出来るのか、そしてこの先第4回、5回とつながる催しへと橋渡しをすることができるのか。ひょっとしたらこのプロジェクトを、自分のために3号雑誌に終わらせてしまうのではないか。迷った末に、もう十年も上演していない、自分の中の宮澤賢治の原点とも云える「私家版宮澤賢治幻想旅行記・抄」ともうひとつ、ひとりで、そして友枝良平さんと二人で、ひとつひとつ階段を上るように作ってきた『なめとこ山の熊』この二つの物語ををやらせていただきたいと、浜垣さんにお願いしたのでした。
20代に初演した一人芝居を、生まれて半世紀を目前に控えた男が演じて果たしてどうなったか。十年前からこつこつと積みあげてきた、二人の男による『なめとこ山の熊』が、どのくらいの高みに昇れたか。そして、主催の浜垣誠司さんの講演が、二つの物語をどうつないでくれたのか。それは参加して下さった方々が、様々に見届けてお持ち帰り下さったと思います。
自分自身は・・・・・・もう死にそうでした(笑)
そして、恐らく、次の回への橋渡しが出来たのではないかと感じています。
そのほか多くは語りませんが、お客さまのひとり、愛知からお見えのsignaress5さんが、臨場感あふれる、とてもうれしい感想を、ご自分のブログに書いて下さいました。
自分でレポートする代わりに、このブログをご紹介して顔をぬぐいます。
http://ringotu-shin.blog.so-net.ne.jp/2012-03-05
signaress5さん。ありがとうございました。
そして、
最後になりましたが、結果的にとても大きな荷物の半分を背負わせることになってしまった、揚琴演奏家・友枝良平さんに、心から御礼申し上げます。
僕は心密かに(と何回も大勢の人の前でこう言ってきた)この方をこう呼んでいます。
天上の音楽を奏でるひと『天楽師』と―
(以下、あまり撮れなかったスナップ)

開演前の客席

控え室のホワイトボード。友枝さんの選手宣誓・・・か?

結局お客さまは、関係者あわせ定員の100名となりました。
お断りしたお客さまもたくさんいらっしゃるとか。ごめんなさい。

僕が一人で散らかしている、控え室。

結局客席では聞けませんでしたが、写真だけ一枚。
浜垣氏の講演のひとこま。
そして長年こき使ってきた、もう一人の相方。持ち道具件椅子がわりの革のトランクを、友枝さんの古いお友達で写真家の黒木重伸さん
http://digikuro.maxs.jp/が撮影して下さいました。
http://fotologue.jp/apsf/#/14068327/14728420
やっと、このトランクの苦労も報われました。ありがとうございました。
前の日記で書きましたが、はじめて友枝さんと組んでひとつの作品を上演してから、この3月8日で丸十年となります。
そして奇しくもその三日後が、先日の大震災から一周年。
テレビであの日の想像を越えた状況を見るだけだった、ネットの上でうろたえるだけだった、そしてやっぱり、ナンモデキナカッタ自分です。
この催しに参加させていただいたことが、決してその贖罪になるとは思ってはいません。
ただ、なくなったたくさんの人のもとへ、生きてたたかっているたくさんの方のもとへ、「第3回イーハトーブ・プロジェクトin京都 」というこの物語が、天の音楽にのって、様々な色や形に姿をかえて届くことを、ただ祈るばかりです。
追伸
前回日記でご紹介した、チラシの版画をお描きになったガハクこと鈴木広美さん、そしてそのパートナーのKyoちゃんこと鈴木恭子さん、そしてお二人の家族、愛犬のトワンのお陰で、これまでとは違う曲想を、天楽師はたくらまれたのでした。
そして、かたり師と天楽師による『なめとこ山の熊』は、物語の外の世界へと、時間の彼方へと、飛び出すことが出来たのでした。
この場をお借りして、お二人の表現者と、愛すべき一匹に、お礼を申し上げます。

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