「ピンクのむぎわらぼうしの女の子タロに会いに来る」
手作り本
3日目の朝タロが野原に立っていると
コオロギ道と空とのさかいにぽっと何か見えました。
(だれかくるみたい…)
タロは目をこらしました。(ネーネじゃないよ)
どうも女の子のようです。
タロは目をかがやかせていました。
「ピンクのむぎわらぼうしをかぶっている。!」
といいながら、タロはかけだしていきました。
「ちっともこないからきてみたの、このへんかなって思って。」
かけよって女の子はいいました。
タロは名前をききました。「わたしはチコリ、ぶたのチコリ。」
「ぼくはタロ、ぶたのタロ。」
こかげのふたりかけのいすにこしかけました。
「この前はごめんね。」
「このまえって…?」
タロはそっけないチコリを思い出していました。
「あの時は、何かおこっていたんだね。」
「おこってないけど、うれしくてはずかしいよ。」
「ふ〜ん。」
タロはかものクルリを思いうかべました。
「ねえ、私が話さなければしんぱいでしょう。」
タロは「うん、そうね。」
といいました。
「ここまできたのはなぜ。」
とタロ「タロがどうしているか心配だったの。」
とチコリがいいました。
「おたがいにいるということはとても安心だね。」
「おたがいがみえることは当たり前じゃないの。」
「神様がきめられたことなの。」
チコリは少しおこっていいました。
「「いる」ってだいじなんだね。」タロはチコリの話を
変わった子だなと思いながらききました。
チコリはなんてかわいい女のこだとおもいました。
チコリが帰るとき、タロはとうもろこし畑の終わりまでチコリ
をおくっていきました。
「あしたは、買い物に行くのだから遊べない。」
チコリは言いました。タロは、うれしいはずの
「あした」に黒い布がかかったような気がしました。

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