ぶたのタロは町へ行きたいと思いました。野原から
へび道に出てイナの川にかかるつり橋を渡り
みどり牧場のさくにそって道しるべのところで
道は二つにわかれます。
そこを右にまがっていくともう一度ゆっくりながれる
イナの川に会います。木の橋をわたり
しらかば林をすぎてトウモロコシ畑のあいだを歩いて
行くとやがてひろいどうろがまっすぐに町へと
つづいているのでした。
トウモロコシ畑までやってきたタロは、「あれぇ?」
と足をとめました。あたりがきゅうにかげりはじめました。
空を見あげると、雨雲がひろがってきていました。
「まって、まって、町へつくまで。」でも、それは
むりなちゅうもんでした。風がふきはじめ、雨雲が
早く広がり追いかけてきました。
「あッ。?」ぽつんと雨つぶが顔に
あたりました。
ざぁーッ!大雨が降ってきました。タロはトウモロコシ
畑へとびこみました。トウモロコシ畑へとびこみ
葉の下に入りました。ぎゅッと目をとじはげしい雨
にたたかれていました。
ごろごろと花火のような大きな音がして
おそろしい光がはしりバリバリバシーン!というひびきが
あたりをゆすりました。
タロはひめいをあげていました。
やがてごろごろがとおくなり雨があがり
陽がさしはじめるまで生きた心地もしませんでした。
「いやだ!こわいよう。」
タロはビジョビジョ雨のしずくをながしていました。
「もう町へ行きたくない。」といって
タロは家へひきかえすことにしました。


0