1917年のロシア革命、世界初の社会主義革命、ロマノフ王朝が倒され多くの農奴が解放された。
しかしソビエト連邦の時代は、宗教界にとって厄災の時代だった。
ソ連邦成立初期には記録に残るだけでも10万人前後のロシア正教の聖職者が処刑、流刑、拷問により転向している。
これは聖職者だけの数字なので、一般民衆を含めれば数十万、いや数百万か。
その他の宗教も例外なく迫害され、多くの貴重な文化財が破壊された。
スターリンの命令で派手に爆破されたモスクワの「救世主ハリストス大聖堂」をはじめ、破壊こそ免れたものの倉庫や事務所、さらには強制収容所に転用されたところも多い。
≪在りし日の救世主ハリストス大聖堂と、2000年に再建された現在の姿≫
≪1931年、爆破される救世主ハリストス大聖堂≫
現在、ロシアでは
宗教が復活している。
今回の短いツアーでもいくつかの教会を訪ねることができた。
3月15日(日)朝イチで市内を一望する(但し雪で視界不良)高台へ。
ウラジオストク市内唯一のカトリック教会を遠望する。
神の母教会
主に(カトリック国の)ポーランドやリトアニアから入植した人が創建、1921年献堂。
建物に文化的な価値が認めらソ連時代も破壊されなかったが、聖職者は逮捕され、1938年に銃殺された。
1993年に再開。
パクロフスキー教会(生神女庇護(神の母のとりなし)教会」。
個人的には、
今まで見た中で一番美しいと思った教会
内部は、正面には美しいイコノスタシス、脇祭壇には日本で宣教したニコライ主教(ニコライ堂を作った方)が日本語の聖書を掲げる聖画や、日本人イコン作家山下りんのイコンがある。撮影不可。
ロシア正教会の教会堂マメ知識
通訳&ガイドのオリガさんが教えてくれた。
女性聖人に捧げられている教会は屋根が「金」と「青」だそうだ。
ここは聖母マリアへ捧げられているので金

と青

ちなみに、男性聖人に捧げられた教会は「金」

だけ。
2020年3月、全日空の機内誌
「翼の王国」は新規就航のウラジオストク特集で、パクロフスキー教会が表紙だった。
主のご変容大聖堂(建設中)
ウラジオストクの大聖堂はソ連時代に破壊されたので、現在浄財を募って建設中。
今年中?に建立予定。
場所が旧革命広場なのも皮肉。
聖アンドレイ教会
第二次世界大戦の戦没者慰霊堂も兼ねている。
ここも1922-91年までは閉鎖され、多くの聖職者はシベリアの強制収容所へ送られた。
ウラジオストクを一望する
「鷹ノ巣展望台」に立つ
聖チリロと聖メトジオ兄弟の像
聖チリロと聖メトジオはキリル文字(ロシア文字)を発明してスラブ民族に聖書を伝えた聖人だが、それにしても聖人の像が建つなんて、ソ連は遠くなりにけり・・・


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