ただの物体、捨てられたシリコンチップみたいに静かで満ち足りた存在になりたい。
とても優美な風の言葉を知るには心を持っていないといけないけれど、それと対峙する痛みに耐えかねる。
宇宙の深海に群遊する青や紫、真紅の発行魚たちの輝ける魚影をまだ何も描いていない白いページに見た。
ただ、私が手に持っていたのは鉛筆だったから一斉に泳ぎ抜けて行ってしまった。
嵐の中を光速で駆け抜けていく、幾千万もの青白い流星群。
星が生まれ、そして絶命していくささやかなメッセージを光の粒子が奏でる。
それを
ただ
聴いていたい。
いつだって愛される自信なんかない。だから誰も愛さないフリをしていたら愛しても気付かないようになってしまう。
人を好きになるのは恐い。
だから私は『もの』みたいになりたい。傷つけたり、傷付けられたりするぐらいなら何も感じたくない。
…今日は絵を描き過ぎた。

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