縄文杉の続報を読みに南日本新聞のWEBニュースを見にいったら、なんだかほのぼのとするニュースがあって「いいなぁ」と、九州が懐かしくなってしまった(ちなみにボクは長崎生まれです)。
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(1)5日の14:00ころ上屋久町永田のいなか浜に真っ昼間にアカウミガメが上陸し、産卵を始めたそうだ。それを発見した人がNPO法人屋久島うみがめ館に報告し、同館のボランティア・スタッフが海水をかけるなどして産卵を助け、アカウミガメはおよそ1時間後に80個あまりの卵を産み落とすと海に帰っていったという。
体長77.9センチ、体幅61.7センチの若いメスだったという。
(2)鹿児島市内で55年も大腸肛門科の専門医として働いてきた80歳のお医者さんが、『おしりの診察室』という本を自費出版した。市内加冶屋町にある60床の病院は息子二人が受け継いで、一年がかりで執筆したもの。痔疾の話から、大腸ガンの治療の話をエピソードをまじえて書いたものだという。
(3)桜島全体を博物館に見立てて研究しようと言うNPO法人「桜島ミュージアム」が30日発足し、設立記念会が催された。その報道によれば、これは余計なことだが今年の1月に申請して、3月には認可されたという。ちなみにNPO法人が一番多い東京では申請してから認可されるまで半年以上待ちであるらしい。
(4)東京では、ツバメ自体がすっかり少なくなったが、あえて車庫をツバメの営巣のために開放し、ツバメのドミトリーにしてしまった人も鹿児島にはいる!
湧水町北方の神田強さん(66)は、竹工場の車庫をツバメの営巣に開放したら、今年は50もの巣が天井の梁に並んだ。フンの後始末は大変だが、「春の彼岸に来て、秋の彼岸に帰って行く」ツバメをあたたかく見守っている。その時期は車を入れず、「ツバメのお宿」にしている。娘の美津子さん(31)は、ピンセットでエサを与えたり、とぶ練習をさせたりとまるで、温泉宿の女将どころか、ツバメの保育園の様相である。神田家にとっては、家族同然で妻のヨシエさん(65)は巣の数をかぞえ、ヒナの巣立ちを楽しみにしていると言う。
(5)霧島の伝統食を若い世代に伝えようと、料理教室「食べ物伝承塾」が4月から開催されている。千葉しのぶさんが代表をつとめる「霧島食育研究会」が主催する。
この5月26日の第2回めの教室では、同町の窪田悦子さん(55)を講師にして「けせん団子」と「かからん団子」「豚みそ」を作った。レシピは一切なく、窪田さんの手元を見ながらのまさしく伝承だったという。
(6)過疎高齢化がすすむなか、えびの市では子育て支援の活動の一環として「移動保育園」が走り回り、お母さんたちに喜ばれている。えびの市地域子育て支援センターが運営する「ドリームーカーなかよし号」は、絵本や遊び道具を満載してえびの市内を巡回している。市の依託を受けた支援センターそのものがなかよし保育園の中にあり、親子遊びや育児相談に取り組んでいるのだが、園長の玉村キクエさん(60)の発案でセンターに来れないお母さんや、孫の面倒をみる祖父母の役に立てばと2001年からはじめられたもの。市内8ケ所を毎月1回ずつ訪問し、参加費は無料、年間500人ほどが利用していると言う。
(7)樹皮が剥ぎ取られた縄文杉を診察した樹木医らは、殺菌消毒をし、樹皮の融合促進剤を添布することに決めた。樹木医によると、樹皮をはいだ後に叩いたり、突いたりした形跡があり、赤い樹液が出ている傷口もあったという。上屋久町の樹木医荒田洋一さん(50)は「樹液は縄文杉の涙のようだった」と語ったと言う。
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この南日本新聞の存在を知ったのは、鹿児島県に旅した時でもあるが、昔の友人がこのような地方新聞社の加盟組合みたいなところに勤めていて、特色ある地方新聞社の存在を色々教えてもらった時、いささかひっかかった新聞社だった。琉球新報とか、河北新報とか、地方新聞はローカルなニュースの中に透けて見えてくるその地方の個性や特色が読み取れて面白いのです。
ちなみにこんなにありますよ。
北海道新聞[北海道] 東奥日報[青森] 岩手日報[岩手] 秋田魁新報[秋田] 河北新報[宮城]山形新聞[山形] 福島民友[福島] 下野新聞[栃木] 上毛新聞[群馬] 茨城新聞[茨城]埼玉新聞[埼玉] 千葉日報[千葉] 神奈川新聞[神奈川] 東京新聞[東京] 山梨日日新聞[山梨]新潟日報[新潟] 信濃毎日新聞[長野] 静岡新聞[静岡] 北国新聞[石川] 北日本新聞[富山]福井新聞[福井] 中日新聞[愛知] 岐阜新聞[岐阜] 三重アサヒ[三重] 伊勢新聞[三重]滋賀アサヒ[滋賀] 京都新聞[京都] 奈良新聞[奈良] 神戸新聞[兵庫] 紀伊民報[和歌山]山陽新聞[岡山] 日本海新聞[鳥取] 山陰中央新報[島根] 中国新聞[広島] 山口新聞[山口]四国新聞[香川] 徳島新聞[徳島] 愛媛新聞[愛媛] 高知新聞[高知] 西日本新聞[福岡]大分合同新聞[大分] 佐賀新聞[佐賀] 長崎新聞[長崎] 熊本日日新聞[熊本] 宮崎日日新聞[宮崎]南日本新聞[鹿児島] 沖縄タイムス[沖縄] 琉球新報[沖縄]
このようなローカルなニュースを読むと地方の暮らしぶりが伝わって来ると同時にほのぼのとし、殺伐とした東京(といってもボクは郊外もいいとこだが)の暮らしの異常さに感じ入ってしまう。ああ、そうかひとの暮らしぶりってこんなにも温かいものだった、と。
今回のニュースではとりわけ、熊本県宇土半島の先端の三角に幼児の頃、住んだことのあるボクは有明海とそして春になると飛来して寂れたような漁村の軒下に営巣するたくさんのツバメのことが忘れられない。とりわけ(4)のニュースは読んでいるうちに風景が甦ってきて、魂がふるえた。
(6)の移動保育園の試みは、まだまだ人口集中で入所待ちをしている東京郊外の市部では、「子育て支援」の行政サービスのひとつとして取り入れて試みる必要があると思われます。
縄文杉のニュースの検索で思わぬ拾い物をした感じである。
南日本新聞のWEBニュースはこちらです。→
http://www.373news.com/index.php
(写真は5月上旬に秩父で撮影した営巣中のツバメです)

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