「2018年・御室桜と五重塔(後編) @ 京都妖怪探訪(547)」
京都散策
(記事中の写真はクリックで拡大します。プライバシー保護等の為、人の顔部分に修正を加えていることがあります)
どうも、こんにちは。
今年の
『霊場魔所の桜』シリーズの記事。
前回に続いて今回も、京都の遅咲き桜のひとつ、有名な
仁和寺の「御室桜(おむろさくら)」の光景をお届けします。
前回から御室桜で満開の境内を巡ります。
咲いている花だけでなく、散った花びらもまたいいのも、桜の特徴です。
満開の桜に満ちた場所を一旦抜けます。
さてここで。
仁和寺といえば。
あの吉田兼好『徒然草』の第52段「仁和寺にある法師」を思い出す人も多いのではないでしょうか。
私も中学校の国語で習いました。
仁和寺のある法師が、有名な石清水八幡宮に参拝しようとしましたが、その本殿が山頂にあることを知らずに行ったため、極楽寺や高良神社など山の下の寺社に参って「ああ、こういうものか」と思って帰ってしまいます。その後、「聞きしに勝る尊い場所でした。しかし参拝の人たちが皆、何故山へと登っていくのかはわかりませんでした」と、わかる人にはわかる無知を晒してしまった、という話です。
(※なお、石清水八幡宮と高良神社については
シリーズ第163回でとりあげています)
『徒然草』には他にも、仁和寺について書いた段があります。
第53段、第54段です。
第53段は、仁和寺の法師たちが宴会で酔った勢いで、三足の鼎(かなえ)を頭にかぶったら抜けなくなってしまって、何とか抜いたところ、鼻と耳が削げてしまったという話です。
第54段は、法師たちが美少年を紅葉見物に誘っていいところを見せようとして失敗し、内輪もめになってしまった話。
……何と言いますか『徒然草』には、仁和寺に関して本当にろくな話がありませんが、兼行さんは仁和寺に何か恨みでもあったのでしょうか。
金堂(本堂)の方へ。
今は青葉ですが、紅葉の時期に訪れても面白そうです。
もう既に葉桜となっている木もありました。
御室桜以外にも咲き誇っている花が。
こちらは八重桜でしょうか。
こちらはつつじ?
それとも桜の一種でしょうか?
ここで再び、仁和寺と『徒然草』の話を。
仁和寺とは、
青蓮院門跡や
大原三千院と同じく「門跡寺院(もんぜきじいん)」。
「門跡寺院」とは、皇族や摂家(公家の中でも特にランクが高いとされる藤原氏嫡流の近衛家・九条家・二条家・一条家・鷹司家の5家)が住職を務めるという、それ故に権威のある存在ですが。
吉田兼好さんは『徒然草』で、そういう寺院のダメな話を書いたわけです。
今で言えば、「一匹狼の反骨インテリが東大や早稲田などの権威ある機関をこき下ろしていた」ようなものでしょうか。
話を仁和寺散策に戻します。
再び五重塔が見えてきます。
そして帰路、再び御室桜を見ます。
ここの桜も、また来年ですね。
今回はここまで。
また次回。
*仁和寺へのアクセスについては
こちらを参照。
*仁和寺のHP
http://www.ninnaji.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
