「2017年・清水寺千日詣り(前編) @ 京都妖怪探訪(505)」
妖怪スポット
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どうも、こんにちは。
京都では夏になりますと、霊場魔所での様々な行事や、妖怪に関するイベントが多数行われます。
今回はそのひとつ、昨年と今年の「清水寺の千日詣り」の様子と、大幅な改修工事が進んでいる現在の京都・清水寺の姿、そして清水寺の不思議スポットの様子とをお届けします。
まず「千日詣り」とは何か。
毎年8月14〜16日の間に行われ、この期間に清水寺に参拝すると、何と一日のお参りだけで千日分お参りしたのと同じくらいの功徳とご利益を得ることができるというのです。
その期間の間は、昼だけでなく夜間拝観・ライトアップも行われているため、朝から夜遅くまで多くの参拝者で賑わうそうです。
「そんな都合が良すぎる話なんて本当にあるのか?」と、最初は疑っていました。
しかしこの『千日詣り』の歴史はかなり古くから行われているようで、平安末期頃に成立したという『古本説話集』という書物の第五十七「清水寺に二千度詣したる者双六に打ち入るる事」にも、以下のような不思議な話が伝えられています。
清水寺への千日詣りを2回行った若侍がいました。
ある時その若侍が、同僚の侍と賭け双六をして大敗してしまいました。
しかし若侍は、相手に支払うべき金品を持ち合わせていなかったので、
「俺が今渡せるのは、清水寺の千日詣りを二度やり遂げた功徳くらいだ」
と言いました。
周りの人々は、「うまく言い逃れをするつもりだな」と笑っていました
当の同僚は真面目に受け止めて、
「では、その功徳をいただこう」
と答えました。若侍はほくそ笑みながら、
「では今すぐにでも渡そうか」
と言うと同僚は、
「いや、ここではいけない。3日後、私と一緒に清水寺に来てくれ。そして、私に功徳を譲ること書いた証文を持って、観音様にいきさつを申し上げて渡してほしい」
と答えました。
3日後、若侍は同僚に付いて清水寺に参拝しましたが、
「これで賭けの負けを帳消しにしてくれるとは、おめでたい奴だな」
と内心では小馬鹿にしていました。
そして本尊の観音様の前に立つと、僧侶に観音様へ事の次第を奏上してもらい、功徳を譲ることを書いた証文を同僚に渡しました。
同僚は喜んで証文を受け取ると、観音様を拝んで帰りました。
その後、若侍は思わぬ事件に巻き込まれて、捕らえられ、牢に入れられる羽目になってしまいました。
一方、功徳を譲り受けた方の同僚は、良家に婿入りし、地位と財産を得て幸せに暮らすことができたという話です。
えーっ。
正直なところ、突っ込みたいところはいくつもあるのですが(笑)、今回はそれはやめて、素直な気持ちでお詣りしたいと思います。
古くからこういう説話も遺されているほど、有名で歴史のある祭事であるということです。
清水寺へアクセスする道はいくつもありますが今回は、
京都市営バス「清水道(きよみずみち)」停留所から、五条坂を上り「茶碗坂」と呼ばれる坂を歩きます。
その名の通り、陶磁器などの店が並んでいます。
ここでお気に入りの茶碗を買ったこともあります。
「茶碗坂」から、急な坂を上って。
清水寺の正門ともいうべき「仁王門」前へ。
現在改修工事中の「西門」前に、もの凄くリアルでカッコいい龍の像が!
ちなみに以下が昨年の、つまり「西門」工事をしていない時の龍像の光景です。
しばし龍に見入っていましたが、この辺りにはもうひとつ「清水寺の七不思議」のひとつにもあげられている不思議スポットがあります。
それがこの「八方睨みの虎」です。
これは、虎を得意とする絵師
「岸駒(がんく)」によって、江戸時代後期に作られたものだそうです。
その名の通り、どの方向から見ても虎と目が合い、睨まれているかのように思えてくるそうです。また、あまりにも見事な虎だった為、「虎が夜な夜なこの灯篭から抜け出し池の水を飲みに行く」という伝説まで生まれました。
さて、「どの方向からも睨まれている」かどうかを実際に観てみました。
暫し虎を眺めた後、三重塔へ。
三重塔の下にこういう石灯籠があります。
この中には、平家の武将・平景清(たいらのかげきよ)が自分の爪で彫ったと伝えられる小さな観音像があるといわれています。
「ホンマかいな?」と思って、
2013年の「千日詣り」の時に覗いて観ましたが、よく見えませんでした。
今回も目を凝らして見ましたが……なるほど、辛うじてそれらしきものが見えたような……?
次に「随求堂(ずいぐどう)」。
ここでは、「胎内めぐり」というものがあります。
それは、本尊・大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)の胎内に見立てた、真っ暗な堂内地下を巡り、一願成就を祈願するというものです。
せっかく来たのですから、何年かぶりにやってみます。
内部は撮影禁止の為、ここでその光景をお目にかけることはできませんが、本当に真っ暗な中を手探りで進んでいくのです。
なお私は、胎内めぐりをしましたが、何も願い事をしませんでした。ただ、「お参りさせていただきましてありがとうございます」と感謝を捧げただけです。
何故、そんなことをするのかって?
その理由は
こちらに書いてあります。
次に本堂へと向かいますが、記事がそこそこの長さになりましたので、今回はここまで。
続きはまた次回。
*清水寺へのアクセス・周辺地図は
こちら。
*清水寺のHP
http://www.kiyomizudera.or.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
