「京都妖怪探訪(237):2012年・圓徳院の竜と紅葉」
京都散策
こんにちは。
本シリーズは今回からしばらく、京都の霊場魔所の紅葉や、去りゆく今年の干支でもある竜(辰)の特集をやろうと思います。
その一回目である今回は、
本シリーズ第21回、
第22回などでとりあげました霊場「圓徳院」の紅葉をとりあげます。
豊臣秀吉の正妻・ねねが最期の時を迎えたという圓徳院は、秋には紅葉の名所としても有名なのです。
京都東山・祇園の近辺にある「ねねの道」「石塀小路」付近の光景。
私が訪れた時には、少し見頃を過ぎ、紅葉が落ち始めたような感じでしたが、それでも美しい紅葉の光景が広がり、多くの観光客で賑わっていました。
ねねの道に面した入り口から、境内に入ります。
本堂に当たる「方丈」と呼ばれる建物の中へ入ります。
そこから見た「南庭」です。
この庭に敷き詰められている白砂には、ガラスの原料にもなる石英系の成分も含まれているため、夜には月の光を反射して、美しい光で庭を照らすそうです。
本堂には見事な竜の襖絵もあったのですが、撮影は禁止されてましたので、ここで皆様にこの竜画の写真をご覧いただくことができません。
その代わりに、以下の動画でもはめ込んでおきます。
この竜の襖絵の前に、仏教と竜との関係について解説された案内板がありました。
それによると、竜とは鹿・駱駝・兎・蛇・鯉・鷲・虎・牛と8種の生き物を組み合わせた複合生物であり、仏教者の理想とする姿を表しているものだそうです。
本堂内の撮影は禁止されており、その案内板を撮影するわけにもいかなかったのですが、今ここで覚えている限りのことを、以下に紹介します。
鹿の角:
誇りを表す。自ら敵を襲わないが、外敵を退ける強さを持つ。
駱駝の頭:
寒暑の厳しい不毛の環境に耐える。
兎の目:
油断のない心を表す。竜画の最後に描かれる。
蛇の腹:
困難な地形にも負けずに進む。
鯉の鱗:
困難な急流や滝にも挫折しない。
鷲の足:
強い把握力を持つ。
虎の掌:
仏敵を強く捕らえる力。
牛の耳:
他者の声を良く聞き、広く世界に心を向ける。
以上が、複合動物として、仏教者の理想像としての竜の姿が意味するものだそうです。
うろ覚えなので、間違っている部分もあるかもしれませんが、だいたいは合っていると思います。
面白いので紹介しました。
圓徳院の建物内部の撮影は禁止されていますので、庭や渡り廊下から見える紅葉の光景を紹介していきます。
北書院から眺めた、北庭の光景です。
そして出口へ。
シリーズ第21回でもとりあげました、三面大黒天です。
大黒天、毘沙門天、弁財天と3人の神仏が一体となったという珍しい仏尊で、豊臣秀吉の合理主義的な発想を表す出世守本尊です。
さて、今回はここまで。
シリーズ次回は、ねねの道をはさんで向かい側にある、秋の高台寺の竜と紅葉を紹介します。
それでは、また次回。
*圓徳院のHP
http://www.kodaiji.com/entoku-in/idx.shtml
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
