「京都妖怪探訪(168):管公命日の天満宮2011年(後編)」
妖怪スポット
前回の続きで、菅原道真の命日にあたる2月25日に、各地の道真を祀った神社を回った記事です。
前回、当日の昼間には京都市内の道真を祀った神社を回りましたが、その夜にはちょっと大阪まで足をのばして、大阪天満宮の様子も見てこようかと思い立ちました。
ちょうど大阪方面にも用事がありましたので、午前中から昼間までに京都各地の天満宮を回り、それが終わってから夜に大阪天満宮を訪れることにしたのです。
(※大阪天満宮に関しては、
シリーズ第94回や
シリーズ第96回などでとりあげたこともあります)
夜7時過ぎ頃の大阪・南森町交差点付近。
シリーズ第92回でもふれましたが、大阪市営地下鉄の南森町駅が最寄りの交通機関のふとつです。
この交差点はそこから地上に上がったところにあります。
そこから天神橋筋商店街に入り、天満宮を目指します。
日本で最も元気のある商店街のひとつと言われているだけあって、夜遅い時間帯でも結構にぎやかです。
確か、この辺りだしたっけ。地名・商店街名にもなっている天満宮の入り口は……。
ありました。大阪天満宮の蛭子(えびす)門です。
昼間は「骨董市」や「フリーマーケット」などのイベントも行われていたようです。
確か京都の北野天満宮でも、特別な日にはこういうイベントが行われることもありました。
さすがに、夜7時を過ぎた時間では、静まり返っていましたが。
蛭子(えびす)門の前からさらに進んでいくと、表門の前です。
やはり昼間は、いろいろな行事やイベントが行われていたようです。
「大盆梅展」もやっていました。ちょうど去年の今頃、このイベントに訪れてしました(その時の様子は、
シリーズ第95回をご覧下さい)。
表門から境内に入ります。
参拝者の姿も見られましたが、一見何もしてなさそうです。
夜7時頃にも何か行事があるとか聞いてきたのですが……。
そう言えば、本殿の中から何か音楽が聞こえてきます。
これは笛や太鼓による……神楽です!
本殿内で何か行われているようですが、本殿の中には幕がかかっていて、中の様子が見えません。
よく見ると、本殿内にかけられている幕は、漁師さんが漁船に飾っていそうな旗です。
ただの神楽奉納ではなさそうですが……。
その答えは後でわかります。
本殿内で何か行われいたとしても、私は入れなかったので、夜の境内を見て回ることにします。
境内の摂末社のひとつ、大将軍社です。
シリーズ第92回と
第94回でもふれましたが、この大将軍社はこの天満宮の前身ともいうべき重要な社です。
この神社の由緒は、道真が藤原氏の陰謀によって九州・太宰府に流される途中でここの大将軍社に参拝したことから始まっているのです。
しかし考えてみれば、これも変というか面白い話です。
元々は、こちら大将軍社の神様の方が偉かったのに。元々は、道真はこの社の参拝者の一人に過ぎなかったわけですが。
その参拝者が、死後神様として祭り上げられ、本来の神様を摂末社の一人にして、自分自身がこの地の主祭神の座に就いてしまったという……。
考えようによっては、この大将軍社も気の毒な神様ではないかという気もします。
このような現象も、日本ならではのことでしょうか?
稲荷大神を祀った「白米大神」。
その横にある、やはり稲荷を祀った「稲荷奥宮」。
天神・菅原道真と同じ、いやそれ以上に日本全国に広く、多く祀られている稲荷の神様。
赤い鳥居のトンネルに覆われた空間は独特の雰囲気がありますが、それが夜となればまた違った雰囲気があります。
本殿の中から聞こえてきた神楽の音が止み、その後本殿から多くの人たちが出てきました。
実はこの時本殿内では、東北大震災の被災地に伝わっていた神楽の奉納もあったという話でした。
しまったあ。
そういうことなら、用事で手間取ってしまったとはいえ、もっと早くに来て中に入っていたならなあ。
というかそれ以前に、何の行事が行われているのかなどを、事前にもっと下調べしておくべきだったかなあ、と少し後悔。
もっとも、アバウトで行き当たりばったりなのが私の性格であり、また私の取材スタイルでもあるのですが。
取材過程で思わぬものを発見したりなど、その性格とスタイルがプラスに働くこともあるのですが。
ただ今回は、それでちょっと失敗したようです……。
それでも、夜の天満宮の雰囲気を楽しめたのは、それはそれでよしとします。
他の参拝者の皆さんと共に、菅公命日夜の天満宮を後にしました。
なお余談ですが、京都の北野天満宮では、毎月25日の夜にはライトアップが行われるそうです。
そうしたことも含めて、北野天満宮の記事も……。
そう言えば……。
『京都妖怪探訪』で
「菅原道真関連エントリー」をいくつも書いておきながら、まだ北野天満宮というメジャーな場所をきちんととりあげたことが一度もなかったんですよね。
ということで、シリーズ次回からしばらく北野天満宮をとりあげます。
今回はここまで。
また次回!
*大阪天満宮のHP
http://www.tenjinsan.com/index.html
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
