「京都妖怪紀行(25):清水寺の不思議スポットいろいろ・その2」
小旅行
一ヶ月ほど前にも、
清水寺の不思議スポットについての記事をあげましたが、今回再びとりあげます。
前回は、夜間特別拝観の時に訪れましたが、今回は昼間の清水寺について書きます。
また、今回は境内の桜が咲き誇っていた時に撮影した写真ばかりなので、桜の写真もお楽しみいただきたいと思います(この記事がアップされる今頃には、もう桜は散っているかもしれませんが)。
前回には回れなかった、見落としていたところなども含めて、記事を書きたいと思っています。
この日は、親戚に清水寺の近くの駐車場まで送ってもらいました。
駐車場にも、このように桜が咲き誇っていました。
駐車場から清水寺への道です。
さすが有名な観光名所だけあって、多くの人で賑わっています。
道の途中にあった厄除阿弥陀如来さん。
なんと、あの聖徳太子の自作だそうです。
私も蝋燭を一本備えて拝んでいきました。
私の家は、ご先祖の代から浄土真宗であり、阿弥陀如来は崇拝の対象でもあります。
ただ、こちらからひとつだけ細かいことを言わせてもらうと、仏教とは本来は来世宗教。現世利益を追求せず、人生の苦難も忌避しない姿勢のはずなのですが、「厄除」という現世利益を追求する阿弥陀様とは……?
もっとも、日本には「神仏習合」という言葉もありますから、こういう形の阿弥陀様も日本仏教ではひとつのあり方として認め、あまり野暮なことは言いっこなしにしましょう(笑)。
そして、清水寺の入り口にやってきました。
入ったところにある桜です。
ところで、一枚目の桜の画像の右下あたりに石碑のようなものが見えますが、後で調べたらそれは岸駒灯籠(がんくとうろう)と呼ばれるものだそうです。
その燈籠には、岸駒(1756年〜1838年)という江戸時代後期の高名な画家が描いたといわれる、虎の絵があるそうです。
あまりの見事さ故に、夜な夜な灯籠から抜け出しては境内を歩き回り、人々を驚かしたという伝説を持つそうです。夜になると水を飲みに出かけて、朝になると元に戻っていたともいわれます。
妖怪マニアで、なおかつ「京都妖怪紀行」などというシリーズを書いている私としましては、こういったものは見落とさず、もっと近くによって、詳細な写真でも撮っておくべきでしたが……なんと、今回も見落としてしまいました。
我ながら、何とも不覚!
入り口から進んでいきます。
重要文化財にもなっている清水寺の鐘楼です。
応仁の乱によって損なわれたそうですが、その後、清水寺を復興すべく大勧進を行った願阿上人によって1478年(文明10年)に再鋳造されたそうです。
普通の鐘楼が4本の柱で支えられているところを、この鐘楼は6本の柱で支えられており、それが「清水寺の七不思議」のひとつになっているとか、なっていないとか。
本堂までの道は、多くの参拝者でごったがえしていました。
そこで一旦、本堂からちょっと横道にそれて進むことにしました。
随求堂(ずいぐどう)という建物のあたりから、横道へ下る階段がありましたので、そこから下っていきました。
(なお随求堂については、
前に訪れた時の記事で、少し触れています。
次の写真は、その階段を下りたところから撮ったものです。
降りた場所でも桜が。
これは鎮守堂でしょうか?
これは、比較的新しい建物でしょうか?
さらに奥へと進んでみました。
その辺りになると、参拝者でごった返している本道とは違い、人の姿もあまり見かけなくなります。
ところで、道の右側を見ると、お地蔵さんがいくつも並んでいます。
珍しいので、ちょっと近寄ってみます。
なんと、たくさんのお地蔵さんが並んでいます。
崖にへばりつくように立っているお地蔵さんも。
これも後で調べてわかったのですが、このお地蔵さんたち(石仏群)は千体ほどあるそうです。
大日如来・千手観音・地蔵菩薩や二尊仏など多種多様で、鎌倉時代の古いものもあるといわれています。
元々は京都市内各地で祀られていたそうですが、明治の廃仏毀釈を逃れるために、ここに運ばれてきたそうです。
この石仏群も、こうした歴史の生き証人ということでしょうか。
横道の奥にあった成就院という建物です。
この辺りになると、何故か参拝者の姿もほとんど見られず、閑散としていました。
それでも桜は咲いていましたし、一人で静かに周辺の庭園を散策することができました。
私は運がよかったか、あるいは行き当たりばったりな私の性格が幸いしたのか?(笑)
成就院のあたりで行き止まりになっていましたので、本道へと引き返します。
本道入り口までの道で見かけた桜です。
本道の道から、下の谷を見下ろした光景です。
本道への中門でもある、轟門(とどろきもん)が見えてきました。
入り口付近にあった、お釈迦様の足形を模したという仏足石です。
前に訪れた時の記事でも、少し触れました。
入り口付近。
身を清めようとしている参拝者であふれかえっています。
本堂の中へ。
弁慶のものという噂もある、大小の鉄錫杖と鉄高下駄です。
これも、
前に訪れた時の記事でも、少し触れました。
やはり、
前に訪れた時の記事でも触れた、ユーモラスな姿の大黒様です。
この大黒様は、すごい人気者です。
賽銭を投げ入れて拝む参拝者でいっぱいでした。
本堂の舞台へと着きました。
本堂から眺めた光景です。
高いところから見るだけあって、壮観です。
「清水の舞台から飛び降りる」という言葉がありますが、こんな高いところから落ちたり、飛び降りたりしたら、まず無事ではすまないでしょう。
稀に、下にある樹に引っかかって助かるという場合もあったそうです。
昔、ここから飛び降り自殺を図った人が居たそうですが、桜の樹に引っかかって助かったという話もあります。
その人は「命が助かったのは、何かの因縁。今度は死んだつもりで、頑張ります」と本尊に祈って帰っていったそうです。
まだ続きますが、ながくなりましたので、一旦ここで切って、続きはまた次回とします。
今回の最後にひとつだけおまけ。
三年坂の回でも触れましたが、坂の途中には「牛肉しぐれまん」という食べ物を売っている漬物の店があります。
中には牛肉と野菜、それに漬物などが入って、それがまたいいハーモニーを醸し出しています。
一個300円ですが、それでも得したと思える味だと思います。
清水寺及び、その周辺を訪れた方には、お勧めの品のひとつです。
それでは、今回はこの辺で。
