「2021年・一条戻橋の早咲き桜と晴明神社の運命鑑定 @ 京都妖怪探訪(729)」
妖怪スポット
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どうも、こんにちは。
ニュースでご存知の方も多いと思いますが、今年(2021年、令和3年)は京都の桜が早咲きの傾向があるようです。
その為、今年(2021年、令和3年)の
『霊場魔所の桜』シリーズを始めます。
その第1回目は、数々の伝説・伝承の遺されておりまた
本シリーズで何度か紹介もしました魔所、一条戻り橋(いちじょうもどりばし)の早咲き桜を紹介します。
またその帰りに、一条戻り橋のすぐ近くに立つ
京都・晴明神社で、運命鑑定(占い)を受けてきました。
まずはいつもの通り交通アクセスから。
やはりこれまで
本シリーズでとりあげた
京都・晴明神社の入り口です。
最寄りの交通機関は
京都市営バス「一条戻り橋・晴明神社前」停留所か
「堀川今出川」停留所です。
その晴明神社と、堀川通りを挟んで斜め向かい側、堀川にかかっているのが、一条戻り橋です。
この一条戻り橋は、当時の平安京の北東橋、いわゆる「鬼門」の方角にありました。
その為もあってか、昔から鬼や妖怪などの不思議な伝説・伝承が幾つも遺されています。
シリーズ第2回などのおさらいになりますが、例えば以下のような伝説・伝承があります。
*蘇生伝説
『撰集抄』巻七に語られている。
熊野の僧「浄蔵」が父・三善清行の葬列にこの橋で出会い、しばし観法を行ったところ、父・清行が蘇生したという。それで「戻橋」という名前が付いたという。
*渡辺綱と鬼女の伝説
『平家物語』剣巻に語られている有名な話。
源頼光の部下である四天王の一人、渡辺綱が夜中に戻橋を通りかかると、美しい女性がいた。
「夜も更けて一人では怖いから」と家まで送ってほしいと頼まれた。綱はこんな夜中に女が一人でいるとは怪しいと思いながらも、それを引き受け馬に乗せた。すると女はたちまち鬼の正体を表し、綱の髪をつかんで愛宕山へ飛んで行こうとした。
綱は、とっさに鬼の腕を太刀で切り落として逃げることができた。
腕は渡辺綱の屋敷に厳重に封印されていたが、綱の義母に化けた鬼に取り戻されてしまったという。
*十二神将伝説
前回の晴明神社に祀られている陰陽師・安倍晴明が、配下の式神(陰陽師が使役するという精霊)である十二神将を、戻橋の下に隠したという。
*十二神将の石棺伝説(?)
以下は、真偽のほどは定かではありませんが。
堀川は、近年に行われた「堀川水辺環境整備事業」によって、現在のようにきれいに改修・整備されましたが、その工事の際、一条戻り橋の下を掘ったところ石棺が出てきたそうです。
どこかの古文書に「十二神将を封じた石棺が一条戻り橋の下に埋められた」という意味の記述があり、その石棺が十二神将を封じたという伝説の石棺か、と思われたそうですが。
しかし、誰もが怖がって石棺を開けられず、結局その石棺は埋め戻されたとか。
「うーん、何とも惜しいことをしたなあ」と思いましたが、これは事情を知るというある人から聞いた話です(※
シリーズ第112回)。
これが本当なら、今でも一条戻り橋の地下には、その石棺が埋まっていることになります・・・。
などなど。
堀川も一条戻り橋も、現在はすっかりコンクリートなどで整備されて近代的な装いをしてますが、当時は京都の端っこ、しかも鬼門ですから、まさしく鬼や妖怪の現れる異界も同然だったのでしょう。
そんな魔所とその周辺に桜が咲いている。
今年は早咲きの傾向が強いとされる京都の桜の中でも、一際早く咲いている。
まずは、戻り橋周辺、堀川西岸側の桜の光景から。
「桜の樹の下には死体が埋まっている」という有名な言葉がありますが、昔から桜の美しさは、死や闇などと結びつけられて考えられることも多いようです。
この
『霊場魔所の桜』シリーズも、「死や闇などのイメージがつきまとう、こういう曰く付きの桜の光景こそが美しいのではないか」と考えて、始めました。
一条戻り橋の上から見た桜の光景です。
いかがでしょうか。
なお、一条戻り橋の桜を見た帰りに、再び晴明神社に立ち寄ってみました。
その日はちょうど、晴明神社の社務所が開かれて、運命鑑定や人事相談(占いや新生児の名前鑑定など)が行われていたのです。
安倍晴明など陰陽師の役割というのは元々、今で言う占い師や気象予報士などを兼ねたものです。古来はそれで個人だけでなく、国家や組織・共同体などの運命を占い、それが国の政策にも影響を与えてきたとされます。
その中でも伝説的な陰陽師・安倍晴明の流れを組むというだけあって、「よく当たる」という評判のある運命鑑定ですが。
電話やネット予約のシステムも無く、開催日も特に決められていないようなので、いつも受けられるわけではありません。
訪れた時に社務所が開いて、受け付けられていれば、受けることができます。
つまり、その機会に恵まれるかどうかは、その時の運次第です。
この日、最初訪れた時には多くの希望者が並んでいて、何時間も待たされそうな感じだったので、断念したのですが。
昼食を終え、さらに一条戻り橋の桜の撮影を終えた後、再び晴明神社の社務所を訪れてみたら・・・なんと、あれだけたくさん並んでいた希望者の姿が一人も居ません。
これは・・・なかなか受けられないという晴明神社の運命鑑定を得られるチャンスだ。
いや、もしかしたらここの神様が与えてくれたチャンスかもしれない、などと自分に都合の良すぎる解釈(というより妄想?)すら抱きました(笑)。
ちょうど休憩中だったようで、一人で20分ほど待たされましたが、それだけで宮司さんによる運命鑑定を受けることが出来ました。
なお、社務所内は一切の撮影や録音は禁止されており、また私自身の個人情報に触れる部分もありますので、ここではそのすべてを公表することはできませんが。
まず最初に、宮司さんが生年月日など簡単な質問をされた後、「運命鑑定書」という書類に手早く筆で記録をされていきます。
その後開口一番、私の性格や適正などをぴたりと言い当てられて、本当に驚きました。
これだけでも十分に驚いたのですが、この一年と人生全般の傾向や、今後求められる覚悟などについて話されたので、私はただただ神妙に聞き入るしかありませんでした。
最後に宮司さんは「また何かあればいつもご相談ください」と仰って、運命鑑定書を渡してくださりました。
私は「ありがとうございました」と謝意を伝え、帰路に着きました。
美しい桜の光景を観て心が和み、癒やされて。
その一方、評判の占いを受けて、「自分が何者か」「今後何をすべきか」「どんな覚悟が要るのか」などを考える機会になり、身の引き締まるような気持ちになったり。
なかなかに楽しい一日となりました。
今回はここまで。
また次回。
*京都・晴明神社へのアクセスは
こちら。
*京都・晴明神社のHP
https://www.seimeijinja.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/
