「化野念仏寺、美しい墓場の紅葉・前編 @ 京都妖怪探訪(668)」
季節の風景
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どうも、こんにちは。
シリーズ前回からだいぶ間を開けて、しかも紅葉シーズンはとっくに終わっておりますが、あともう少しだけ
『霊場魔所の紅葉』をやりたいと思います。
というのも、今回はまさに、「神社仏閣、妖怪伝承地、いわゆる心霊スポット等の曰く付きの地など、そういう場所の紅葉こそ美しい」という信念(?)の下、やってきた
『霊場魔所の紅葉』シリーズでとりあげるにふさわしい場所の紅葉風景だからです。
古くから京都の葬送地のひとつとして有名な嵯峨野で、多くの無念仏を供養した聖地であり、それ故に心霊スポットとしても有名な
化野(あだしの)念仏寺です。
まずはいつもの通り交通アクセスから。
化野念仏寺は京都・嵯峨野でもかなり奥の方なので、公共交通機関で訪れるにはちょっと大変です。
まずは、京都・嵐山の玄関口のひとつともいうべき
嵐電「嵐山」駅の前から。
京都バス「嵐山天龍寺前」停留所から、94系統・京都バスに乗って、
「鳥居本」停留所まで行きます。
バス停から歩いて5分ほど歩きます。
化野念仏寺入り口の石段へ。
やはり今年の紅葉は、あまり赤く染まらない、色にむらが見られますが、これはこれでいいですね。
石段を上り、入り口で拝観料を払って境内へ。
紅葉光景と共に、無数の死者を供養した石塔や石仏が並ぶ光景が広がります。
化野念仏寺は、かなり前ですが、
シリーズ第72回と
第73回で紹介したことがありますが。
ここ嵯峨野はかつて、京都の葬送地のひとつであり、しかも平安京時代はいわゆる風葬が行われていました。
一応断っておきますと、風葬というのには「死者を自然の土へと還す」という意味合いがあったようで、ただの野ざらしや死体遺棄などとは違うのですが、かつてここには腐乱したもの、白骨化したものを含めて、無数の死体が転がっていた、ということになります。
この地に
‘弘法大師’空海が五智山如意寺を開創し、さらに更正、法然上人の常念仏道場なって、浄土宗寺院となって現在に至るそうです。
当初は風葬でしたが、後世に土葬となり、それまで風葬されていた死者を供養する墓として建てられたのが、ここに並ぶ無数の石塔や石仏なのです。
ただ、あまりにも長い年月の間風葬されていた為、ほとんど無縁仏と化しているようで、それ故に心霊スポットとしてもとりあげられるなど、いろいろと妙な噂や伝承なども多いようです。
参拝順路に従って境内を歩きます。
「西院(さい)の河原」と呼ばれる石塔・石仏群が見えてきます。
ここにも紅葉が。
嗚呼、まさに「美しい墓場の紅葉風景」。
死や闇、「幽玄」という言葉を感じさせる中で、紅葉が映えている。こういう光景を見たかったのです。
なお、「西院の河原」内での写真撮影は禁止されていますので、外側からの撮影になります。
一部のオカルトマニアの間では「ここでは高確率で心霊写真が撮れる為、写真撮影が禁止されている」との噂もあるようですが、ここ化野念仏寺の方のお話によればそれは、「西院の河原内部は道が狭く、足下に無数の石仏や並ぶので、写真撮影などで足下への注意がおろそかになったり、他の参拝者の通行を妨げたりすると事故の危険もある」という安全面からの理由だそうです。
本堂に礼拝。
本堂よりさらに奥へ。
記事がそこそこの長さになってきましたので、今回はここまで。
このまた次回。
*化野念仏寺へのアクセス・周辺地図は
こちらをご覧下さい。
*化野念仏寺のHP
http://www.nenbutsuji.jp/index.html
*『京都妖怪探訪』まとめページ
https://kyotoyokai.jp/
