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どうも、こんにちは。
12月京都の恒例行事としてすっかり定着した
『京都嵐山花灯路』。
前回に引き続き、今回もそのレポート記事を。
前回、「まだ時間的余裕があるな」と思ったので、嵐山花灯路のコースをもう一周してみようかな、という気になって、再び「竹の小径」を歩きます。
竹の小径の中、この生け花が飾っている場所で北と南に分かれていました。
前回はここから南へ進んだので、今度は北へと進みます。
元々は山道だったので、ライトアップされてはいても、この暗さ。
トロッコ嵐山駅を経て。
小倉池のほとりに着きます。
さて、せっかくですから、小倉池のほとりにある「御髪神社(みかみじんじゃ)」にも礼拝していきます。
確か、小倉池と御髪神社は一部では「心霊スポット」としても有名だそうです。
確かに、雨の夜中に歩くと不気味な感じもするのですが……。
ただ、何故ここが「心霊スポット」なのか。
「一時期自殺者が相次いで京都府警も認めている心霊スポット」という噂もあるようですが、その真偽を確認するすべが今のところありません。
また「心霊スポット」の噂がある割には、そこであったという恐怖体験談みたいなものがネット検索しても見当たりません(普通、有名な心霊スポットと言われる場所については、少し探してみれば……その真偽のほどは別にして……恐怖体験談とか、もう少し具体的な話とかが出てくるものなのですが)。
この辺りは、もう少し調べたりしてから
『京都妖怪探訪』シリーズの
心霊スポット関連エントリーとしてとりあげたいと思います。
話を花灯路散策に戻します。
小倉池を通り過ぎ、森の中の道を進んでいきますと、小さな和風の門があり、そこで案内人らしき人たちが立っていました。
確か「特別な美の世界を体験できます」みたいな口上で案内をしておられたと思います。
ただ、入場料が3000円だったということもあって、「なんか怪しいなあ」という気がしました。
だから、昨年と一昨年の嵐山花灯路の時も、案内人さんが立っておられたのですが、無視して通り過ぎたのです。
今回は「毎年嵐山花灯路を訪れているのだし、せっかくだから今まで訪れたことのない場所に入ってみるのもいいか」「詐欺やぼったくりの危険性も考えられなくもないけど、騙されたと思って入ってみるか」という気になって入ってみました。
で、中に入ると。
確かにそこにはちょっと特別な空間が。
改装した古民家の中に、様々な調度品や美術品が彩られていました。
何でも高雄に立っていた200年ほど前の古民家を、明治時代にある京大教授がこの場所に移築・改装して住居か別荘としたそうです。
その後、現在のオーナーさんが自身でコレクションされた古美術品や古い家具などを配置して、こういう古民家カフェみたいなものを創られたそうです。
飾ってあるもののひとつひとつが、芸術的価値もあるかなりの値打ちモノなのだそうです。
スタッフの方の許可を得て、内部を撮影させていただきました。
上の写真にある花瓶も李氏王朝時代朝鮮の壺だそうです。
あまりうまく撮れてないのですが、チベットの絹刺繍の竜です。
こちらは、明朝か清朝時代の家具だそうです。
中央アジアの古仏像の胴体に、下は鏡面のようなフランス製の机です。
こちらの屏風、小鳥の姿が写実的かつ躍動的に描かれていて、芸術の知識やセンスのないド素人の私でも、値打ちモノだというのが見当つきます。
こちらは江戸時代に描かれたという、平安時代の貴族が遊ぶ様子を描いた絵。
こちらの机は元々、古代中国の祭壇だったそうです。
現代だったら中国国外への持ち出しはまず出来ないでしょうね。そんな規制の無かった昔に持ち出されたものだそうですが、よくぞこういうものを入手出来たものです。
こちらは200年ほど前、フランスの職人さんによって創られたガラス細工の大皿。
花瓶として天井からぶら下げられているのは、チベットの金属製角型酒器です。
よく見ると、部屋の壁にも見事な墨絵が。
スタッフさんに尋ねてみたところ、江戸時代初期の有名な絵師・
狩野探幽の作品だということで、また吃驚。
天井の梁なども、こうしてわざと見える様にしているのもいいですね。
また生活や休憩する空間としても、非常に良く出来ていました。
非常に居心地が良いのです。
特に冷たい雨の中を歩き続けて身体が冷え、少し疲れも溜まっていたこともあって、ついついのんびりと長居してしまいました。
スタッフさんに「これだと高いお金払ってもいいから泊まりたいという方も居られるのでは?」と尋ねてみたら、実際そう言う人も居られたそうです。
甘酒とお茶をいただいてくつろいでいましたが、その湯飲みやお盆も勿論、かなりの値打ちものだったそうです……。
いやはや。
これでこんな空間に滞在できて、しかも貴重な文物の数々をこうして撮影することまで許可していただけたとは。
入場料3000円は高かったですが、私にはそれ以上の価値がありましたね。
いや、むしろ。私みたいな安月給サラリーマンで、芸術的な知識やセンスの無い者には分不相応だったのではないか、とすら思いましたね。
それにしても、これだけのコレクションを収集し、更にこのような空間を作り上げるには、相当な財力と共に高い美的・芸術的センスを要するはず。
このオーナーさんとは一体何者か、どういう方なのだろうか、と思いました。
なお、このカフェは。
ルイ・ヴィトンの雑誌で紹介された以外は、あらゆるメディアでも、ネット・SNSなどでも宣伝を行っていないそうです。
勿論、オーナーさんの方針やポリシーなどでそうしておられるそうです。
また、近いうちにこのカフェ(?)を会員制にされるそうです。
ですから一見客の一人に過ぎない私が出入りできるのも、今のうちなのかな? ……などという気も。
ついつい時間ギリギリまで長居してしまい、すっかり遅くなりました。
外はまだ雨が降っていた中、せっかくの居心地の場所を離れたくはないというのもありましたが、スタッフさんに迷惑かけるわけにもいかないので、花灯路散策へ戻ります。
途上にあった「人形の家」。
真っ暗な夜道の中、突然人形が現れるという、このあやしさと不気味さも、私は大好きですね(笑)。
ただ昨年以前と比べたら露出が抑えられているようですが……?
常寂光寺の前へ。
嵐山花灯路の期間中、常寂光寺では夜間拝観が行われていたはずですが、既に閉門されていました。
気が付けば既に夜の8時半頃。
花灯路も終了する時間です。
常寂光寺や二尊院の夜間拝観は、また来年以降にするか、と思って雨の降り続ける中を歩き続けます。
落柿舎の辺りまで来ました。
落柿舎には
もう6年ほど前の嵐山花灯路の時に訪れたことを思い出しました。
後で
その当時の記事を読み返して見ますと、確か「良いご縁を」と祈願したのを思い出しました。
しかしながら、今も「彼女ナシ万年モテない男」のまま。それどころか、今年の初め頃には
こういう苦い経験もありましたからね。
どうやら神様の力を以てしても、私の「恋愛運の無さ」「女性縁の無さ」は救いようがなかったようです(苦笑)。
現在では、
いろいろと思うことがあって、神様・仏様に礼拝はしても、お願い事をすることもなくなっておりますが。
ここで突然、ほとんど全てのライトアップが一斉に消えました。
そして辺りは本当に真っ暗に。
嵐山花灯路の終了時刻である夜8時半を過ぎていました。
また、辺りには観光客どころか、地元住民らしき人も見られない。
本当に私一人だけ。
雨が降っていたということもあるでしょうが、皆もうとっくに帰ったのでしょうね。
常設の街灯や民家の灯りだけが照らす暗い道を、一人帰路につきます。
嵐電「嵐山」駅の前も、付近の商店街も、あれだけたくさん居た人の姿もほとんど見られず、ひっそりと静まり返っていました。
また来年……か。
今回はここまで。
また次回。
*『京都嵐山花灯路』のHP
http://www.hanatouro.jp/arashiyama/index.html
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
