2006/3/14

大雪の思い出(2)  

順路帳とは配達先の名前と配達物の種類が書いてある帳面だが、もちろんそれだけで配達できるわけがない。
この帳面を見ながら一回その区域を知っている人の後につき、専門の記号(順路記号)をつけていくのだ。
こうしてようやく配れるようになるのだが
「順路記号は付けてあるからこれで行け」
と所長は云うのだ(苦笑)。
無茶苦茶や!でも配れてしまう自分が恨めしい(爆笑)。
仕方なく自転車に途中までの新聞を積み込み出発した。
そして、ようやくスタート地点に辿り着いた。
本当に「辿り着いた」という表現は正しく、スタート地点は店からかなり離れている上に積もっている雪の量が半端ではなく、自転車の運転もままならないのだ。
でもスタート地点は駅前だったので、配達先も比較的わかりやすく雪も踏み固められている為、若干時間が掛かりながらも配達は順調に進んだ。
駅前の商店街を抜けて住宅地に入った辺りで、雪は新雪状態になってきていた。
もう自転車に乗って配達出来る状態ではなくなっていた。
自転車は只の不安定な荷車状態と化してしまった。
何より車輪に雪がまとわりつき、押して歩くのも一苦労なのだ。
中継地点で所長が心配して待ってくれていたらしいのだが、なかなか辿り着く事が出来ない。
雪は止む気配すらなく、深々と降り続いた。
やがて積雪の高さも車輪の半分近くまでに達した。
こうなってくると押しても引いても、自転車は動かない。
あまりにも動かないので全力で押そうとして、勢い余って雪の中に倒れ込んでしまった。
雪に埋もれながら、この時ふと頭の中に「遭難」の二文字が浮かんできた(しかもこんな所で・笑)。
しかし不幸中の幸いだったのは、中継地点が割りと近かったことである。
なんとか命からがら(笑)中継地点に辿り着き、残りを所長と手分けして配った。
通常配達終了の時間は6時から6時半くらいで、寝坊して7時前後というのが一般的だと思うが、この時の終了時間はなんと9時半。
速攻で朝飯を喰い、泥のように眠ったのは言うまでもない
私はスキーは出来ないし、もちろん雪山に登った事もないので「遭難」と言う言葉には無縁であったが、この時ばかりは心底「死」の恐怖に怯えたのである
その後も何年か働いたが、雪の日はあったがこんなのはなかったなぁ・・・。
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