分からないけど分かってる

2007/10/18 | 投稿者: きちゅー

アタシがいる病棟は、比較的症状が軽い患者さんが多いので、『精神病院』としてよく妄想されがちな「幻覚を見て意味不明なことを言う」だの「徘徊したり暴れたりする」ようないわゆる『ガイキチ』さんはいません。
ま、一般社会から見ると「変わってるな…」という人はいるけど。

明らかに「軽い知的障害を持ってるな(しかも躁鬱気味)」という若い女性が、実は皇室にも縁の深い某大学の学生さんだったり。
もう退院したけど、入院中だというのに毎日違うシャツと帽子でパリッとキメてるおっちゃんが実は警察官だったり。
若い女の子としか会話をしない(できない?)ロマンスグレーのおじさんは、英語がペラペラのどっかの先生だったり。
世の中分からんものです。

現役を引退した方々(つまりお年寄り)もたくさんいます。
普段は病室にいるおじいちゃんおばあちゃん達も、食事や薬、病棟内OT(作業療法)の時間は看護士さんや介護士さんに連れられてロビーに集まってくる。
杖や車椅子でヨロヨロ来る姿を見てアタシは、
「うーむ、この人達は老人用病院や老人ホームにいる方が正解ではないのか?」
と思ったりしますが、『老人性うつ病』というのがあるとも聞いたことがあるし。いろいろあるんやろうな。

その中で、ひときわ目立つおばあさんがいます。
ロビーに連れてこられると、必ず泣きそうな顔でこう叫ぶ。

「わたし、何にも分かんないんです!何にも分からなくなっちゃったんです!」

最初聞いた時はみんなビビって固まった。が、毎度同じことを叫ぶのですっかり慣れた。
看護士さんは涼しい顔で、
「今からゴハンですよ〜。」
とか、
「お薬飲んでいただきますからね〜。」
と対応。んープロだのぅ。

アタシはそのおばあさんが叫んでるのを見て、
「ありゃ痴呆症じゃないんかね?」
と言ったら、たまたま隣にいた人が、
「いや、違うよ。痴呆症の人は『自分は間違ってない』って思うからね。あと怒りっぽくなるんだよ。あのばあさんは不安症の一種じゃない?」
と。

隣の人はさらに、
「自分が『何も分からなくなってる』のを分かってるだけマシなんだよ。重症な人は自分が病気なのを否定するからね。あのばあさんは幸せ者だね。」
と。

ほお、なるほど。
確かに外来でたまに、
「アタシは病気じゃない!こんなとこ関係ない!」
て叫んで暴れてる奴がいるが、アンタこそが立派な病人だよ、しかも重症、入院してさっさと治せや…と思う。



2007/10/22  2:33

投稿者:相方

「神経症」と「精神病」の一番大きな違い

「神経症」=自分が病気だという自覚がある
「精神病」=自分が病気だという自覚がない

*最近はこの中間症例として「境界例」という症例が分類項目にあります。

2007/10/22  0:58

投稿者:ミケおばさん

きちゅーさんの文章を読ませてもらって感じるのは観察眼が鋭いなあということ。
それだけ深く強く感じる力があるのだと思います。
だからその分、他の人が感じないことまでも感じ取ってしまう。感受性の強さがあるのだと思います。
だから疲れてしまうということがあるのかもしれない。消耗してしまうところがあるのかもしれません。
でも、感受性が強いのは決して悪いことではないし、そして感じることを止めることができない。性格を変えることはできないし、変える必要もない。
今のままの柔らかい心で、天性のインテリジェンスとユーモアで、自分と上手に付き合ってゆけると良いですね。
私は、同じ病を経験した50代、元気にやってますよ。
健康と御多幸を心よりお祈りしています。

2007/10/19  22:26

投稿者:ぴんくのらんどせる

きちゅーさんは冷静客観的(しかもぼけつっこみもOKGOOD)だと思ってますが、なかなか、周りの人も冷静だったりする病棟なんですね。医者におかしいのがわかるのはいいですよ〜。と聞いてきたばかり。昨日はその病院の初カウンセラーと面談。ぴっちぴち若い兄ちゃん。経緯説明したら絶句。(失うなよ)言われたのは、結局、
「必死に起きようとしないで下さいね!」
起きようと確かに必死だけど、それでやっと起きれるんだけどなぁ。きちゅーさん、きもちよく起床されてるのかな・・・。調子は結構入院前より↑↑↑ですか?

2007/10/19  20:04

投稿者:はと

う〜む。。自分が「わからなくなってる」ことが「わかってる」かぁ…深いなぁ。。

私は躁転した時、まさに幻覚・幻聴・異常言動・暴れる・夜中の徘徊etcで、総合病院に転院&入院を勧められました。がっしかし、転院先のジジイ医者がどうしても嫌でもとのクリニックに戻り自宅療養することに決めました。

あんときは親も大変だっただろうなぁ…(遠い目)よく面倒みてくれたものだと思います。
しかし、一番つらかった時期の自分てどうやったんやろう??と思い返してみました。なぜ自分がそんな言行動にでるのか、わからなかったと思います。ただ、頭の中の声に従わされてる。なぜ私がこんな目に??とただただ悲しくてつらかったです。

ほんと自分が病気であることを認めたがらず、まさにそれこそが病気たる由縁であったといまは感じます。

http://pink.ap.teacup.com/hatopoppotaisou/

2007/10/19  11:52

投稿者:おたぬきもの

老人性うつ病、なんだか、考えてしまいます、遠い先の事。私は、うつ病再発なもので、夫も、今現在、うつ病と、強迫性障害を、かかえているし。なんて、こんな風に、先の事を、心配しすぎて、考えてしまう事自体、病気なのだろうなあ。精神医学が、発達して(もちろん他の分野の医学も)風邪をなおすように、メンタルヘルスの病気も、治せる様な、薬、出来るといいなあ。

2007/10/19  11:16

投稿者:すのお

う〜ん、なんだか複雑な気持ちになりますねぇ。

私の場合は、旦那さんが気がついて病院にいった方がよいってなったけど・・・

症状がひどくなると、私の場合、なぜかアライグマになるらしい。食事中に何度も手を洗いにいったり。

これって一人暮らしで、仲の良い、ちょっと変だよって言ってくれる友達もいなかったら、ぜんぜん本人は気がつかないまま病気は進行するんだな〜って考えたらコワイ。

2007/10/19  11:01

投稿者:munimuni

あまり知られていないかもですが、じつは老人の自殺はかなり割合が高いんです・

2007/10/19  10:52

投稿者:風なぎ

きちゅーさんのお隣にいた人も随分と客観的に見てるね…すごいなぁ〜。。。

私は昨日も1時間40分のカウンセリングを受けて何か変わったかといえば…
「何も変わっとらん〜〜っ!」
またまた先生と音楽の話しで盛り上がり、何しに行ってんのか分からん状態よん♪

2007/10/19  8:46

投稿者:林檎

どうも〜。
ワタクシ鬱の波がまた来ました〜。う〜。
ここ数日はうだうだしてます。
そういえばワタクシが通っている診療内科にきちゅーさんおススメの『中島らも』の『心が雨漏りする日には』が置いてあったので読んでます。
まだ半分ぐらいですが。
ってゆうか待ち時間長すぎ。午後四時に予約したのに診察は午後七時。患者の方も大変だけどお医者さんの方も大変そう。『心が雨漏りする日には』にでてくるお医者さんみたいになれなければいいですが。。。

2007/10/18  22:02

投稿者:ゆみゆみ

ほんとに納得!!!しかも重くて切実。
ううーん、と頷いてしまいました(。_ _)σ
病って深いですね。。。

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