ルリボシカミキリをモデルに、生きたカミキリムシと標本のカミキリムシの違いについて解説してみます。

まずは生きているカミキリムシの造形。木に巣食う甲虫類は木にしっかりとしがみつくことが必要、よって四肢、いえ六肢は6角形に開いて効率的にしがみつくポジションを基本とします。触角は虫が空間を把握するためのセンサー、よって必要な方向=おもに前方に向けられます。
これらを再現しないと何のために肢や触角が付いているのか疑問の残る仮面ライダーの怪人のような造形になります(それはそれで好きですが)。

標本の場合「すべて図鑑に出ているような形にするというのが原則」だそうです.同一条件で比較するためですが、生きてる時にはありえないポーズをよくとります。まずあの足の形では移動できないでしょう。さらに触覚が後ろを向いていては空間センサーとして十分に機能できない。
図鑑を見ていますとこの触角を後ろに向けるのはカミキリムシとヒゲの長いバッタのグループが主、つまり標本箱のサイズを小さくして保管場所を小さくしようというのが主目的だったとわかります。
生き生きとした姿を目指すのであれば、標本で勉強する以外に、生きた虫の写真を探すか記憶と想像力で補って作ることが必要です。
PS カミキリムシは英語でlongicorn beetle, long=長い、corn=角(触覚の意味もあるか?)の意味だろうから、長角虫ということらしい。

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