
この前の猛烈な台風14号に続き、低気圧が通過・北風すごい強風と雨で思い出したことがあります。
今回は少しタイムラグがある低気圧の通過でしたが、太平洋・南の低気圧と日本海・北にある低気圧が合体・並走した時のパワー=「二つ玉」のスゴイパワーのことです。
大概の年は、春間近に南北低気圧の「二つ玉」が起きることが多いです。
私も3月末に志賀:横手山・渋峠の山スキーの時、テント内深夜早朝時に過酷な体験をしたことがあります。また、数年前には12月に起きたこともありました。
2つの低気圧の合体・並走「二つ玉」が発生しそうだと、山海は大荒れになりますから、自然の中、野外での活動・・・天候に注意しなければなりません。
「二つ玉」とか「合体パワー」で、思い出したのが、一つのエベレスト遭難について書かれた下記2つの本のこと・・・
このエベレスト遭難に関する2つのドキュメントは、「台風くずれのインド洋にあった熱帯低気圧」と「北の山脈方向にあった寒気を含む低気圧」が合体したことによる凄まじい悪天候がエベレストを襲ったことが契機となったことが書かれていました。
●『空へ−エベレスト遭難はなぜ起きたか』 ジョン・クラカワー
●『デス・ゾーン 8848M』 アナトリ・ブクレーエフ
1996年5月、エヴェレストで大勢が遭難死という事件がありました。
2人の著者は、このときに山頂をアタックしていた異なる2つの営業遠征隊に・・・ホール隊のクラカワーはアウトドア雑誌のレポーターとして、ブクレーエフはフィッシャー隊のプロのガイドとして・・・参加していました。
ホール隊に参加していたクラカワーによる『空へ』はリアルな報告と正確と思われる記述が丹念に描かれていて、文章表現に魅力がありました。翻訳も良いのでしょう。
しかし、『デス・ゾーン』の著者:ブクレーエフについて批判的な記述もかなりあって、ガイドとしての責務・責任に対して不満・非難がありそうな表現・記述もありました。
フィッシャー隊のブクレーエフは、『デス・ゾーン』で、事故に至るまでをプロのガイドとして冷静に振り返る事で、「空へ」をはじめとした「山岳関係者」「遭難遺族」に返答したように思いました。
営業登山隊の持つ様々な課題について、ガイド・主催者側からの視点で表現され、これも中々深い意味があるな。と思いました。
また、IMAX撮影隊が撮った映画『エヴェレスト』<ケーブルTVでもやっていた>もありました。
この記録映画的ドキュメンタリー映像は、エヴェレストの美しい風景も魅力的ですが、遭難したホール隊と撮影隊が最後の無線で会話する映像(多分本物)もあります。
『空へ』や、『デス・ゾーン8848M』を読んだら、次はこの映画もいかがでしょうか。
どこで上映しているか、どこでビデオ・DVDを売っているかは、わかりませんが・・・
*上の画像は過去の典型的な「二つ玉」の低気圧
投稿者:imorimasuda