2006/1/19

今さら「編集者 竹一平の苦悩」東京公演レビューその肆  しばいデイズ


いまさらなんでこんな記事を…
と、書いている本人が厭きれながらも、第4弾です。

こんな記事に、お付き合いしてくださっている方、
ありがとうございます。
台本を読みながら書いているのではないので
だいぶ心もとないあやふやな文章ですが、
怒らずお付き合いいただければ光栄です。



第8景 庄野文春の仕事場
冒頭の部屋に入ろうとして襖に引っかかってしまい
前進できない庄野というシチュエーションは、毎回ありましたが、
27日の夜ともなるとかなりしつこかったです。
あまりのしつこさに、1度ならず2度までも竹は襖を閉めてしまいました。

この第8景は、ほかと比べ科白が少なく、
一見よぼよぼの老作家である庄野の巧みな身体の動きで
笑わせることになります。
ので、さすが、千秋楽は力の入り具合が違っていました。
後半のプロレス技も大阪では、2回ともラリアットだったのが、
東京は昼夜と進むにつれ、
なんだかどんどん高度な技(腕ひしぎ逆十とか云うそうです)に…。

「何をスキャンしてるんですか!」と竹に怒鳴られた
原稿用紙のスキャニング、後で久馬さんも真似していましたが、
何度見ても本家本元の演技は違います。
後から見ましたが、9月の芝居もん「シマキジョージのなか」でも
この技を披露していました。

エンディングテーマを歌っている歌手の名前、
東京公演では変わっていました。
う〜ん、でも聞き取れませんでした。
なんか外国人ぽい名前だったような…?
台本では、「テル」になっているんですけど、
大阪公演では「河村久一」とか云っていました。

ここまでで、「戦争小説」、「推理小説」、「SF小説」と
先に述べたジャンルが出切ってしまったのでどうするのかなと思っていたら、
さりげなく「こんなSFじゃなくって
ハートフルな作品をお願いします。」と頼んでいますね。
この辺が、脚本上手いなあと思いました。

第9景 絵本
で、その依頼された「ハートフルな作品」。
ここは、竹中さんとギブソンさんだけの出演なので
大阪、東京ともに大きな違いはありませんでした。
たぶん、全公演通して同じ芝居だったと思います。
一瞬だけ出てくる看護士役の方は、大阪、東京も
同じ人に見えました。誰なんでしょう?

ところで、書いた筑摩も「そうよ、私の自信作。」と云っていますが、
この絵本、他の小説に比べ出来は良いと思います。
こういうハートフルな芝居にはギブソンさんが似合いますね。

第10景 筑摩明郎の仕事場
この第10景で竹の科白に
「だってじゃないですよ! それに何ですかその喋り方は、気持ち悪い」
と云う科白があります。
ちょっと、ひっかかった科白です。
つまり、普段の筑摩は、こういう喋り方をしていない、
ということですよね。
…違うかな?

でも、よくよく考えてみると、
平凡以外の作家先生もなんか怪しい…。
たとえば、浅井についても
戦争小説の原稿を受け取った時、
「極妻」かぶれの浅井の姿を竹ははじめて見たのでは?
と、思わせる節があります。
角川は、「いまさら」Jリーガーになりたいと云い出すし
庄野は、「昔みたいな」ハートフルな作品を書いておらず、
年に似合わないエンディングテーマのある小説を書いているのも
一度疑ってしまうと、どれも怪しく思えます。

このことからも、ここまで出てきた浅井以降の作家は
勝手に竹が妄想している姿なのでは
と、思うのです。
実在する浅井には、オジキはいないし、
実在する角川は、竹にJリーガーになる夢なんて語らないし
実在する庄野は、あんな人生に必要でない動きはしないし、
実在する筑摩は、オカマキャラではないのでしょう。
そして、竹の目の前にも。

それに、「絵本っていったら子供向けでしょ。
子供に老人の心情が分かる訳ないんですよ!」
と云っておきながら、その後
「大人でも楽しめる先生らしい作品を書いてください。」
と頼んでいるのもなんとなく矛盾しているような…。

ところで、激怒した筑摩の科白
「気持ち悪いって何よ!踏んづけてやろうかしら!!」
は、何かからの引用でしょうか?
なんで踏んづける?なんでしょう。

第11景 官能絵本
で、筑摩が書き直したのがこれ。
珍しく下ネタな科白
「38年振りじゃ。
ばあさん、ワシはもう破裂しそうじゃー!
見てくれ、この肉棒を。」は、東京でも健在です。
「38年振り」というのは、台本にはなかったので
ギブソンさんのアドリブなんでしょうか?

第12景 筑摩の仕事場
スポットライトが、舞台右に移ったときには
おじいさんもおばあさんも最初の位置に戻っているんですね。
見るたびに「早っ!」と思って見ていました。

科白自体に変化はないのですが、
筑摩が竹にべたべたするところは、千秋楽がもっとも激しかったです。
今回、鈴木さんは、
王子、気弱な兵士、障害のある子供、科学者、オカマっぽい作家と
演じていますが、何を演じても上手いです。
むしろ、この器用さが弱点のような気もしないでないですが。
…器用貧乏?

第13景 バイオレンス絵本
以前にも書きましたが、
どこかに必ず出てきますね、拳銃。
「サークルS」ではじめてTHE PLAN9を見てから
ずっと心に引っかかっているのが、実はこの拳銃なんです。

不法に手にしようにも入手経路が難しい拳銃が
THE PLAN9(というか久馬作品?)には
当たり前のように出てきます。
そのことが、いつも気にかかります。

第14景 筑摩の仕事場
開口一番「すいません先生、僕が悪かったです!」
と謝る竹。
東京公演で見直すまで、ずっとこのシーン
土下座していたと勘違いしていました。
この間が好きですね。何度見てもツボに嵌ります。

ここで2度目の「頭が痛い」という科白があります。
1回目は、第2景での平凡の科白、
ここでは、竹が呟いています。
特に関連性はないと思いますが、ちょっと気になりました。

「そんなに追い込んでたのね」という
筑摩の言葉どおり、この時点で竹は
「もう逃げ出したいっすよ。なんでこんな仕事選んだのかなぁ…」
と、ぼやいています。
この苦悩は、この時だけでなく、おそらく物語が始まったときから
ずっと竹の中にあったのでしょう。
やがて、目に見える形で竹の周りに異変が…。


ここで一旦UPします。
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