2009/5/17

世界は劇場。人生は芝居。人は役者。  しばいデイズ


京橋花月よる公演「FAKE HEART」を見てきました。

以下はネタばれになりますが、その前に1つ素敵なお得情報を。

この舞台のチケット半券を別の日の公演に持って行きますと、当日3500円のところ2000円で見ることができるそうです。


……この情報をエンドトークで聞いてもの悲しくなったのは何故でしょう?


ただし、元シェイクダウンによる小芝居(←ここはファン以外の方にもオススメ!!)は日替わりだそうで、見るなら複数回見たい舞台になっておりますのでリピーターの方にはかなりお得情報ですね。






2007年劇団赤鬼初演時の公式サイトのイントロダクションには

「『期間、五日間也。
報酬、壱千万円也。
君タチハ最高ノ芝居ヲ
演ジナクテハナラナイ・・・・。』
ハートウォーミングな作風で一時代を築いた劇団トゥモロー。
その作風はあきられ、観客は減少。今や存続の危機にたたされて
いる。 そこへ"ササクラ"と名乗るひとりの弁護士がやってくる。
『キミたちのくさい芝居で、ある老人の心を救って欲しい。報酬は1000万だ。』
人と人との憎しみあいは、誰かが悪いのではない。
皆、心がちょっとだけ不器用なだけなのだ。
『フェイク ハート』
素直になりたかった人たちを描くこの作品、ぜひご期待ください。」

と、あります。

これだけで既にネタバレです。

このイントロダクション部分が舞台の冒頭で演じられるのですが
このとき「何故、弁護士は彼らにそんな芝居を頼むのか?」
と、考えた途端、黒幕(…。)の正体、ラストシーンを含め
この物語のストーリーラインがほぼ見通せてしまいます。

判りやすいのですが、本当に想像したとおりの流れになるので
非常に意外性に乏しい感じがしました。

これだけあからさまに怪しい上演依頼を受けておきながら
何の疑問ももたず、弁護士の思惑も探ろうとせず
老人の住む山荘にほいほいついていく劇団員たちが
あまりに人を疑うことを知らず、能天気すぎて、
「この人たち、大丈夫か?」と、逆に心配になります。
今や巷に跋扈するあらゆる詐欺に
まっさきに引っかかりそうな人たちばかりです。
(実際誰も彼もが1度はだまされています)

素人考えで、ここで誰か一人でも疑問を持って
それに対して弁護士が上手い口実を語って疑問を払拭するだけで
随分ストーリーに深みが出てくると思うのですが
そうではないようです。

それにしても「素直になりたかった人」というより
最初から「素直な人」多すぎです。
登場人物の9割は最初から素直です。
また、残りの「素直になりたかった人」も
あっさりと素直になりすぎ!

あまりに(人の)いい作品とは思いますが、
それだけにもの足りなさ(リアリティとも云う※)が残ってしまいました。

…いい作品なんです。
ほんとハートウォーミングな。

問題はこのハートウォーミングな作品であること
ハッピーエンドにこだわっていることを
最初から作品の中で連呼しているため
大事な「泣き」のシーンでさえ
大団円に終わらせるための布石なのがバレバレ。

弁護士がこんな芝居を打つのも
老人がなんだかんだあっても息子を受け入れる
と判っていたからでしょ?
老人がいきなり現れた息子を愛するという
前提がなければこの芝居は打てないわけですから。

これまでTHE PLAN9の舞台を見続けてきたため
「裏の裏を探る。伏線をくまなく掬い上げ本筋を見通そうとする。」
という嫌な癖がついてしまったようです。
本作は、そういう癖がついていると、
あっという間に読み通せてしまい、ちょっと残念。

でも、「素直」だったのは、芝居の中だけではなく
観客のみなさんも同じようで
隣の席にいたもの凄く可愛い女の子は
瞳をキラキラさせて(たぶん直前流した涙のためキラキラ)
「メチャメチャ感動した!」と、仰っておりました。

で、周りを見渡すと、客席がキラキラしていて…ま、まぶしすぎる。

こんなふうに最近舞台を見ていると
(私にもかつては)「そんな時代もあったねと。」
と、思いしらされることが増えてきました。

人間、年を重ねるといらん知識が増える一方で
失うものもいっぱいあります。

ああいう純真な目はもう私にはなくなってしまったようです。

とは云うものの
イントロダクションの
「ハートウォーミングな作風で一時代を築いた劇団トゥモロー。
その作風はあきられ、観客は減少。」
とあるようにこういう悪意のない舞台は今では却ってものめずらしいのかも。

今回の舞台は、お〜い!久馬、浅越ゴエ、後藤秀樹の名前に
惹かれて見に来たこれから「演劇」に触れていく方には、
凄く入り込みやすい作品だと思います。


※ただし、この芝居は、ややもすればアンハッピーに陥りがちなリアリティーというものをもともと排除する方向で描かれているようです。
「芝居はハッピーエンドで終わらなくてはならない」がテーマのようです。

リアリティに関しては、季節が真夏のはずなのに山荘という設定からか、そういう感じがあまりしなかったのが残念。
また、この作品、40手前のアラフォー劇団員と大学生に見えない劇団員が必死で子役を演じきるというのが面白さの1つとなっており、他のキャストもメイクや立ち居振る舞いでなんとかその年齢をリアルに演じているのですが、よしもと側が自社の男性アイドルユニットRUN&GUNから一人使いたかったからでしょうか、本来は30代後半という役どころの米原幸祐さんがどうみてもその年齢に見えないのは残念でした。
「演劇」だからそこまで言及しなくてもいいのでしょうが、この芝居においては「年齢のごまかし」が重要なアイテムになっているため、そこのところが気になりました。
でも、米原さんは華のあるいい役者さんでしたよ。

(さらに厳密なことでは物語の鍵を握るLPレコード「レット・イット・ビー」の表題曲「レット・イット・ビー」A面の6曲目なのでレコードの針を落としてすぐには聞けません。あの針の置き方だと「トゥ・オブ・アス 」という曲がかかります。)

それにしても、この劇団懲りずに次回公演でまた借金作るんでしょうね。




(追記)
このブログの冒頭に書いた元シェイクダウンによる小芝居。
これは私が見た回での小芝居に限られるのでしょうが
ここでの米田(お〜い!久馬)の言い訳が、
その後出てくる蓮森やシゲさんのいいわけに比べ
あまりに荒唐無稽でいかにもアドリブと云う感じで
作品の一環の流れから若干浮いて見えるのは
このシーンがいちばんの「笑いどころ」ながら
少々勿体無い気もしました。

もしかするとこの米田と云う役がもともとオリジナルにはなく
この京橋花月のため追加されたキャラなんでしょうか?
どうもそう見えてしまうのが、
この小芝居で違和感を感じる理由の1つかもしれません。

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2009/5/25  14:38

投稿者:ひつじ

櫂様

コメントどうもありがとうございます。

人を見る目がないので実際のところは判りませんが、舞台やラジオなどで見聞きした感じでは、私も久馬さんは「自分に真っ直ぐぶつかって来る人間が苦手」な人だと思います。
自分から好きな人(黒田さんとか)や相手から招いてもらうことに対してはまだ大丈夫のようですが、以前、ラジオで浅越さんが「一度久馬さんの部屋に入ったことがあるがそれはとても珍しいことだ」と話されていたようにメンタルな面も含め自分のテリトリーに他人が入り込むのを嫌う人だと思います。
そういうところが、やたらボケを連発して本心を見せないところや、作風にも表れているようです。また、親御さんとの以前の確執を見ても自分の方から折れたり寄り添ったりするのが苦手なのかもしれません。

これまで見てきた舞台から思うのは、久馬さんご自身は黒久1・1・1での立ち位置ぐらいがいちばん居心地がいいのではないのでしょうか?
また、もしかすると、ザ・プラン9でそれなりにメンバーとの仕事を保持しつつ、個人では作家として他の芸人から必要とされる現在の位置で満足されているのかもしれません。

それにしてもこの人の凄いところは、別れた後でも後藤秀樹さんも鈴木つかささんも彼のことが好きだと云っていることですね。

それに対して、鈴木さんは割と天真爛漫に人の輪にすんなり入ることができる人ではないでしょうか?人に可愛がられることも人を可愛がることも知っているというか…。
何か大きな目標に向かって行き着くため一歩一歩進んでいらっしゃるのだと思います。

その場その場の目標(本公演だったり、○−1のような賞レースだったり)には食らいつこうとしているようですが、そういう大きな目標が今のザ・プラン9とメンバー各々にはまだないように見えてしまいます。
難しいですね。

また、ご意見お待ちしております。

2009/5/24  20:27

投稿者:櫂

ひつじ様
今更なコメントで申し訳ありません。良かったら読んでやって下さい。 確かに久馬さんは余りリーダーに向いていない気がします。(かといってなだぎさんも向いていない気がしますが…) 何故こんな質問をしたのかというと、NON STYLEの石田さんのブログで「石田明脚本 鈴木つかさ演出 で芝居をやりたいです」と書かれているのを見たからなんです。二人共久馬さんのことが大好きな者同士だと思ったら切ないというか、複雑な気分になりました。 以前NON STYLEの無限大でプラン9がゲストの回の動画を見たのですが、石田さんが久馬さんを慕っているのを一生懸命アピールしていたのに対して、久馬さんは結構素っ気なく対応していたのが印象に残っています。その時は「〜軍団」のような自分の派閥を作ることに興味が無い人なんだと解釈して好感を持ったのですが、最近、自分に真っ直ぐぶつかって来る人間が苦手なのかなあとまたもや勝手な思い込みを持ってしまいそうです。
鈴木さんは着実に活動の幅を広げています。(吉本興業の新企画スーパーチャンプルシアターでは山内さんと演出に関わりますし、制作に元第三舞台の細川プロデューサーが名前を連ねています)
ブログのコメント欄を見ていると攻撃されることも多いようですが、鈴木さんは楠見薫さんの劇団の公演に参加されて後藤ひろひと大王のブログでも良く登場するので、経験も知名度もあって人脈も豊富な大王が見ていてくれるなら大丈夫だと勝手ながら安心しています。
久馬さんはイッセー尾形さんと公開稽古をしたり、他事務所のチョップリンさんと仕事をしたりと機会には恵まれているように見えますが、大変生意気ながらそれが評価にいまいち結びついているように見えなくて、今久馬さんの傍には誰か支えてくれて、才能を伸ばそうとしてくれる人がいるんだろうかと思ってしまうのです。

2009/5/18  23:47

投稿者:ひつじ

櫂様

「前向きで行こう」見てくださってありがとうございます!

へんな映像と詩なのに見てるとなんか元気になります。
これはテレビ用に3分に編集した映像だそうです。
オリジナルも見てみたいです。

2009/5/18  23:43

投稿者:ひつじ

櫂様

コメント、ありがとうございます!

「FAKE HEART」は評判がかなり上々なので上手くすれば黒久「ふね」のように東京でも上演されるかもしれませんよ!

勿論、春公演もここのブログでは文句ばっか書いていますが、試みとしては面白い構成になっておりますし、出演者の「笑い」を楽しむにはもってこいの舞台だと思います。

ところで、私も以前は、ザ・プラン9の舞台を彼らのファンではない普通の演劇ファンの方がどう捕らえているのか気になった時期がありました。
演劇色の強い「こわがり」や本多劇場で上演した「7−8x4月」は演劇レビューサイトで感想を読んだことがありますが、最近はさっぱりです。

ザ・プラン9本公演も演劇雑誌「演劇ぶっく」の年間ベストテンである「演ぶチャート」に2007年までは投票もあったのですが、年々、投票数が少なくなってしまいました。
ラーメンズがどんどん演劇界に食い込んできてついにベスト1を獲ったのとは逆ですね。
一時は、演劇ぶっく内に連載コラムも持っていたのに残念です。

ただのコントではなく、「演劇とお笑いの中間」に一番こだわっていたのは私も鈴木さんだったと思います。
ご質問のあった「久馬さんのリーダーシップ」ですが、鈴木さんがいた頃のラジオはまだ灘儀さん中心に浅越さん、ギブソンさんが盛り上がっていても久馬さんを鈴木さんがちゃんと立てていたと思います。久馬さんには鈴木さんがいるから大丈夫と思っているところが私にはありました。
それがなくなった今、浅越さんやギブソンさんはそれなりに久馬さんを持ち上げても、求心力は弱まりそれがザ・プラン9というユニットにも影響している感じがします。

今回の春公演パンフの鈴木おさむさんへのインタビュー記事にプラン9にお願いしたい舞台があると灘儀さんに告げたところ快諾してもらったという話が載っています。
これまでイベントなどで芸人仲間が灘儀さんに「本公演に出して欲しい」と頼むことがありましたが、その時決まって灘儀さんは「久馬に相談してくれ」と仰っていました。
鈴木さんがどこまでインタビューで話しているのは判りませんが、この記事のとおり灘儀さんの一存で春公演の脚本が決まったのであれば、ちょっとショックです。

でも、もともと久馬さんはリーダータイプではないような…。

字数制限があってあまり答えになってなくてごめんなさい。

2009/5/17  23:55

投稿者:櫂

今週通勤ラッシュの間、こちらのブログで知った「前向きで行こう」を携帯のYouTubeから聞いて乗り切っています。教えて下さってありがとうございます。

2009/5/17  23:42

投稿者:櫂

ひつじ様
「FAKE HEART」観に行かれたんですね。私は吉本の芝居は1月に神保町花月でやった久馬さん脚本のものしか観たことがないのですが、今回は元シェイクダウンと川下大洋さん出演なので興味がありました。東京在住なので観るのは無理そうですが。
ザ・プラン9の春公演のチケットを譲っていただいたので、今月末に観に行けます。芝居の出来に関しては楽しみで仕方ない、という気分にはなれないのですが、彼らの顔を東京で見れるのは嬉しかったりします。
一度、演劇のプロの方にザ・プラン9の芝居をどう思うか聞いてみたいです。一般の演劇ファンが感想を書き込むえんげきのぺーじや観劇のススメでは、ラーメンズや小劇場で活動しているコント集団の評価はあってもザ・プラン9は私の知る限り取り上げられたことはない気がします。 演劇から遠ざかってお笑い寄りに行くとなると、4人での需要があるんだろうか?と思います。 ラジオを聞いても、メンバーの中でも4人のこれからの活動が曖昧になっているんじゃ…という印象を受けます。
そういった所をきっちり詰めていくのが鈴木さんの役目だったのかなと思います。 リーダーである久馬さんは一体これからをどう考えているのか…
今度是非ひつじさんに久馬さんのリーダーシップについての意見をお聞きしたいです。

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